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【高校物理】万有引力の位置エネルギーが負の値になる説明

どうも、5ニョッキ📓です。

万有引力の位置エネルギーが負になるのが分からないという質問をよく受けるので、簡単に説明したいと思います。

まず、通常の地球上で重力の位置エネルギーを考えるときは、重力加速度はg(=9.8)の一定として扱うので、基準点を地面にとって、持ち上げると仕事をする方向つまり力と変位の方向が一致するので、正の仕事をすることになります。

なんですが、地面より下に移動させたときは負の仕事になるのです。

つまり、基準より低い位置になれば通常の重力の位置エネルギーだって負になります。


一方万有引力はどうでしょうか?

というより、なぜ万有引力は基準点を無限遠に取るのか?

のほうが気になるかもしれませんが、

そっちでとるほうが式が簡単になるんですね。

その結果ほとんどの場所で位置エネルギーが負になったってかまわない。

というより、正の値である必要がないのです。


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この書き方はまずい。

上記の表現は誤解を招くとおもいます。万有引力の向きはマイナスの向きですので、上記は万有引力を積分して位置エネルギーを出しているのではありません。

積分の中身は

万有引力に大きさが等しく反対向きの外力(rの方向)
です。


その外力を積分した結果は

外力の仕事を計算しているわけであって、

外力の仕事は万有引力の位置エネルギーと等しいので

結果万有引力の位置エネルギーには

万有引力距離rに反比例してかつ符号がマイナスが付きます。

基準点を無限遠に考えるから。

式としてはそういう形になるだけという感じですね。


つまり、基準点が無限遠でこのエネルギーを0となるようにあつかうと、

そこが位置エネルギー的には最大で、

それよりも少しでも万有引力をかんがえる質量体(地球とか月とか)に

近づくと位置エネルギーは下がるので、

値としては負になるのですが、

位置エネルギーの基準の最大を0に取っただけで

なんら問題はないのです。

ポイントはいつもと仕事をする向きがちがう

この違いによって、マイナスがでてくる

というのが味噌です。


何かの参考になったらなと思います。


<おまけ>
では地球の内部に限りなく近づいていったら、

マイナス無限大に位置エネルギーが発散するのか?

というと、発散しません。

電磁気のガウスの法則のような考え方ができまして、

地球の内部では引力に寄与する質量が減っていく

結果、万有引力はばねのような特性の力を示しまして、

中心では引力0になりますので。

位置エネルギーはある値に収束します。

こちらを基準に取れば、地球上で地面を位置エネルギーをとるような

正の位置エネルギーが定義できるかもしれませんが。

式が2項に分かれるだけで、そんなにいいものにはなりません。

というようなわけがあるようです。


おわり



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