6.5 売れない人によくある間違った売り方

同じ物件、同じ価格でも、「売れる」人と「売れない」人には差が出ます。では何故「差」がつくのか?それは、取引する相手の「配慮」の違いです。ただ売るのではなく、実際に買った後にどれだけ価値をもたらせてあげられるか?この信用をどれだけ得るかの違いです。売れる営業マントップ1%に共通するのは「相手の欲を満たそう」とします。売れない営業マンの多くは「自分の欲を満たす」のに必死です。売れない営業は案件化した順番で時間をかけますが、売れる営業は手当たり次第手を付けるのではなく「価値」を徹底的に探し、売れるまで「課題」をクリアしていきます。購買する価値を感じない顧客に何度も商談するほど、無意味のないことはしません。

売れない営業マンは、まず「高いから売れない」と価格の話から始めます。私も、始めた頃は「安くしないと売れないのか」と思っていましたが、そうではなく、行動量の問題だと分かりました。売却するリーチ数を増やせば、価値を評価して買ってくれる人は現れます。まずはその価値を把握することです。価格の設定は、一部の業者が言っているだけなのか、相場より余程かけ離れているのか、自分でつくった幻想にすぎないのか。何よりも大事なのは価値です。例えば、あなたが水を売ろうとしたとして、砂漠にいたら1億円の価値になるかもしれません。でも自動販売機だらけの場所にいたら100円なのは間違いないでしょう。不動産も一緒です。場所、タイミング、買う人の状況や考え方によって価値は全然違います。
たまに、地方物件は値がつかないと言う人がいますが、地方だからと言って、売れないことはなく、単にマーケティングの視野が狭いか、価値を感じる買主イメージが見えていないかのどちらかです。ではその価値を見出す買主とは誰か。価値はそれぞれ異なります。地方でも価値を見出して感じる人に売れば、売れます。つまり価値が全てです。供給量が少なく代替できる物件がなければ賃貸ニーズは高いはずです。実際、地方の築古物件でも、売却できることは上場リートの公開されているIR資料を見れば明らかです。

そして、買主が評価する”価値”を考えた場合、どんな公式であらわせるのか。要素は3つ。 「モノ(=商品の価値)」、「リーチ(=届く距離)」、「活用度合い(=利用のされ方)」これらが足し算ではなく掛け算で結ばれた結果が市場に提供する価値の総量になります。モノの価値がいくら高くても、顧客がいなければ意味がありません。モノが顧客にリーチしたとしても、使われなければゼロです。よって、3つの要素は相互に依存した掛け算の関係です。そしてこれ等は、そのまま不動産に置き換えられます。モノ=物件力、リーチ=営業力、活用度合いです。単独ではなく相互に連携しながら、価値が最大化されるということです。

これからは、質の時代です。量の時代が終わり、質の時代に入りました。量は暴走します。OYO hotelやWeworkで明確になりましたが、不動産は量を増やしても利鞘がなければ成り立ちません。量はムードが決め、時代と共に乱高下します。例えば、サブプライムローンは量の暴走です。 明らかに家を持つ余裕のないような人々に対して、金融工学のマジックで金が貸し付けれて、それが破綻した訳です。お金が無い人に、お金を貸すということが成り立つわけがありません。

売れない物件は何か要因があるはずです。価格なのか、物件の魅力なのか、リーチ数なのか。不動産を安く売るのは簡単ですですが問題はどうやって高く売るかです。最初から価格を下げるように提案してくる仲介は信用しません。価格の理由が査定の結果と言われたら、その査定の根拠は誰をターゲットにした結果なのか?を確認する必要があります。細分化して因数分解しないと、全体の平均価格を知っても意味がないからです。全く意味がない。例えば、仕事を探していて、港区の平均年収が900万だから、年収900万が妥当だと言っているのと同じです。不動産は人と同じように、それぞれ特徴やタイプが異なります。そういった細分化もなしに、平均を出しても無意味なのです。

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