マーケティング初心者向け・おすすめ書籍案内 第5弾 「沈黙のWebマーケティング 松尾茂起・著 上野高史・作画」

マーケティングといえば様々あるが、やはり2020年現在およびこれからの時代に欠かせないのはWebマーケティングだろう。いや、むしろ私が経営する零細企業である自分史作成サービス「わたしの物語」においては、唯一可能なマス・マーケティングと言ってもいい。

ホームページそのものは2010年頃からオープンしていたが、これまで全くと言っていいほど、まともに運用してこなかった。今回、改めてマーケティングの初歩を学び、さらにWebマーケティングの本を読んだことで、どれほど機会損失があったかを知ることができた。幸い、「自分史業界」はまだまだWebマーケティングに取り組まれていない業界だと思われる(なにせ、ほとんどの大企業が「グーグルのリスティング広告」を打っていない)。自分史作成サービスの顧客であるこれからのシニア層およびその下のミドル層は、どんどんWebを使いこなす世代が増えていく(減ることはありえない)。つまり、Webマーケティングの重要性はますます高まることだろう。

さて、今回紹介する「沈黙のウェブマーケティング」は、「Webマーケティング+初心者」で検索すると、ほぼトップに紹介される書籍だ(もう一つ、「マンガでわかるWebマーケティング―Webマーケッター瞳の挑戦!」もよく挙げられる本だが、いまひとつ内容が高度すぎるような気がしたのでスルーした)。

それでは、内容を紹介していこう。


「沈黙のWebマーケティング 松尾茂起・著 上野高史・作画」

本の内容を説明する上では、私がどのように本の内容を自分のビジネスに置き換えて読んでいったかを追っていく。私のビジネスは簡単に言えば、「自分史作成サービス」だ。顧客となるのは75歳以上の高齢者。彼らに2時間ほどのインタビューを2回行い、自分史を代筆して、書籍にする(もちろん書店に並ぶわけではない。あくまで個人レベルで配布する自費出版だ)。価格帯は大体30万円〜50万円と言うところである。

エピソード1: SEOペナルティー解除

正直言って、SEOについて真面目に考えたことがなかったので、冒頭から知らないことが目白押しである。まずは「ウェブマスターツール」に登録する必要がありそうだ。

「自分史」で検索しても、まったく検索でヒットしない「わたしの物語」のホームページは、何かやばいペナルティでも食らっているのかもしれない……。

エピソード2:Webデザインの本質は「言葉」

このパートでは、どんなホームページを作るべきかがまとめられている。要するにオシャレでかっこいいホームページよりも、ちゃんと商品・サービスが売れるホームページを作りましょう、ということだ。そのために必要なのは次のこと。

・ホームページに来たお客さまが、知りたい情報を掲載する

次に必要なのは、その情報を見やすく掲載すること。

・シニア層にはシンプルでわかりやすいデザインが好まれる

「コンテンツファースト」
「スマートフォンファースト」

さて、本書ではコンテンツを作る時に、文章のみで考えてみることが提案されている。

・心に響くのは「ストーリー仕立ての説明」

文章:論理的に理解しやすい
写真:直感的に理解しやすい

この2つを組み合わせる必要がある。

本書に掲載された「文章・写真を読みやすくするチェックポイント」にも注意したい。

・ヒットコンテンツから「王道の表現を学ぶ」

具体的に言えば、最近流行りの「アイコン」と「吹き出し」で構成された文章だ。あれは実は「漫画」から来ている。たしかに最近バズる記事は、だいたい「アイコン」と「吹き出し」による会話形式のような気がする。あれは実に読みやすいものだが、それは漫画で採用されている「王道の表現」だったのだ。

エピソード3:Webライティングは二度輝く

ダイレクトマーケティングで使われる「セールスレター」を参考にしてホームページを作れ、というパート。7か条のノウハウなども掲載されているが、特に響いたのが次の2カ条。

・お金の節約より「時間」の節約について訴求するなど、新たな軸でお客さまに気づきを与える←まさに「自分史作成サービス」が提供する価値

・ページ移動でお客さまのテンションを冷まさないよう、1ページにまとめる。最後の文章まで気を抜かない。

それから、下記のようなポイントもあった。
・客観的な信頼性を出すために「お客さまの声」と「お客さまの声の写真」を掲載する。

・セールスレターを書く際には、お客さまの代名詞を「皆さん」ではなく、「あなた」と書く

・文章には「ストーリー」を加える

・ストーリーの中で、自社の欠点を明らかにする

・客観的な情報(お客さまの声)を掲載して信頼性を高める

・商品の実際の様子など、「リアル感」が必要となる情報に関しては写真や動画を使って伝える

・サイトを見ているお客さまには「ワクワク感」と「不安感」がある。「リアル感」を過度に出して「ワクワク感」を潰さない。「サイトは商品を販売するショーウィンドウ」であり、ワクワク感を奪わない。(商品やスタッフが素敵に見える写真を使おう!)

サイトの構成は以下の通りにする。

ヘッドコピー「本文を読んでもらうためのキャッチコピー」
ボディーコピー「ワクワク感を高め、不安を取り除く」
クロージングコピー「ワクワク感が高まったお客さまの背中を押し、実際の行動に移ってもらうための情報(価格、保証やサポート、特典、購入方法やキャンセルポリシー、よくある質問)」
追伸「ページ全体のまとめとなる文章」

・文章を読みやすくするポイント

「色分けルールを作る」
「強調箇所でだいたいの内容がわかるように」
「強調箇所を増やしすぎない」

エピソード4:逆襲のSWOT分析

ここでは、競合他社の動向調査について掲載されている。そして、競合他社への対抗策がそれぞれ掲載されている。この中で面白いと思ったのが、次の2つ。

・競合がリスティング広告を始めた
→競合が出稿している広告文と比較しやすいような表現を使ってみる

・競合がメディア取材を受けたことをPRし始めた
→「メディアに登場しない隠れた名店」という表現を使ってみる

また、ぜひやりたいと思ったのが「グーグルアナリティクス」。同業種とのサイトとの比較ができるらしい。

そして競合他社と対抗するために必要なのが、「柔軟性のあるサイト(変更・改良しやすいサイト)」であること。要するにデザインを簡単に変えたり、情報発信できるサイトにしておけということだ。

また、ここではKGIとKPIが紹介されている。それぞれ「目標」と「目標を達成するための指標」だ。「わたしの物語」の場合、まずはデータを入手するシステムを導入する必要があるだろう(グーグルアナリティクスなど)。

エピソード5:コンテンツSEOの誘惑

このパートに出てくる「内部SEO」というのがよくわからない……。内部リンクとは一体? これは専門家に相談するしかないだろう。

「運営サイトのドメインは1つに」ということだが、「わたしの物語」はどうなっているのだろうか? これもわからない。

「ディレクトリ型」「サブドメイン型」というのも、よくわからなかった。

セリングとコンテンツに分けて考える……「わたしの物語」でもコンテンツを作るべきだろうか? 「自分史作成サービス」はソーシャルメディアでバズったり、リンクを貼られて売り上げが伸びるサービスではないような気もする。

エピソード6:コンテンツマーケティング攻防戦

コンテンツマーケティングをするかどうかはさておき、コンテンツは「痛みを伴わない心理(ポジティブ):喜び」に関したものにする必要があるとのこと。また、無理にファニーな記事を作らなくても、インテレスティングな記事を作れば良い。

また「シェアされやすさ」には、「社会的関心度の高さ」「社会的認知度の高さ」のいずれか、または両方が影響する。

エピソード7:真実のソーシャルメディア運用

サイトには「メジャー感が必要」←まずは、漫画の定番表現(アイコンと吹き出し)を使う

このパートのメインの内容は「Twitterで露出経路を作れ」ということだったが、正直1人でやっているビジネスで、Twitterまでやるのはちょっと荷が重い……。(仕事そっちのけでハマるのも怖い)。

エピソード8:G戦場のレンタルサーバー

サイトに人気が出てきたら、アクセス殺到で落ちないように高いサーバーに乗り換えろという話。「わたしの物語」で考える必要は当分なさそうだ。

というわけで、まずはウェブマーケティングをするために「必要なデータの入手システムの導入」と「ホームページ(コンテンツ)の改善」が必要だということがよくわかった。

たしかに漫画というのは読みやすい。……自分史作成サービスの良さを伝えるためにも、漫画を一本作るのもいいかもしれない。そういえば、先日の化粧品のDMにも商品開発のエピソードをまとめた漫画があった。結構読み込んでしまい、最終的に妻も買っていた。しかも、同業他社はあまりやっていないような気がする。ホームページのコンテンツには、色々とできることがありそうだ!

終わり

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