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ISOの解釈が人や組織で異なる?なぜ審査機関毎に指摘が違うのか

ご覧いただきありがとうございます。在宅勤務中、中本の蒙古タンメンが食べたくて自宅で激辛麻婆豆腐を作った太郎@ISOプロ編集部です。なかなか再現度が高く、非常に辛かったです。

さて今回は審査機関や審査員毎に異なる「ISOの解釈」について解説します。審査機関や審査員だけでなく、コンサルタントやISO担当者など人に拠って異なるといっても過言ではありません。本来異なってはいけないのですが……
ウェブサイトで調べていて、ISOについての解説がサイトに拠って「微妙に違う?」と気づかれている方も中にはいるかもしれません。

この解釈の違いは当然、審査の際に指摘箇所の違いも生みます。この解釈の違いを生み出すのはISOの原文が英文であり、日本で使用されているのは翻訳されたものであること、そもそものISOの考え方である点が挙げられます。

では詳しく解説していきます。

なぜISOの解釈に違いがあるのか


ISO(国際標準化機構)が制定するISO規格の原文は英文です。日本では一般財団法人日本規格協会が制定する日本語訳となるJISが使用されています。

言葉は受け手に拠って、受け取り方や解釈が異なるものです。原文から翻訳されたことで、更にその幅が広がったと考えられます。

例えば日本では「内部監査」「審査」で分かれていますが、原文では両方とも「audit(監査)」で表されています。

こういった解釈の違いから審査機関や審査員に拠って、審査の際の指摘事項も変わってくるのです。解釈に幅のあるところやガチガチのところなど……


ISOの解釈に幅があるとどうなるのか


解釈に幅があるということは、企業が構築したマネジメントシステムがISOの規格要求に適合しているかどうかの判断基準に幅があることになります。

たとえば、ある業務をマネジメントシステムに落とし込んだとき

・審査会社Aは「ISOに適合していない」とし、是正措置を求める
・審査会社Bは「ISOに適合している」とし、認証発行となる

同じ内容であってもこのようなことが起こります。どちらの審査機関が合っている、間違っているという話ではないのが難しいところです。

是正処置を求められた際に、「こういう観点から適合していると考えます」と主張できればいいのですが、ISOの知見がないとそれもできません。そのため依頼した審査会社の言うとおりに修正していくこととなります。場合によっては、ISOのためのISO業務を追加し業務負担が大きくなる可能性もあります。

ガチガチにルール化し運用したい企業、ある程度の自由度をもって運用したい企業、それぞれに合う審査機関は異なります。自社の考え方に合った審査機関を見つけることが重要といえます。



審査の基準に関わるほどの幅が合ってなぜ標準化が成り立つのか


現在、サービスは有形・無形にかかわらず多岐に渡ります。業務内容も同様です。そのすべてに通用する標準化は現実的に困難です。

そのためISO自体も制定の際にはある程度の幅を持たせています。

ISOが求めているのは「1-10までこの通りにやってね」というよりは、「大枠は作ったからこれに沿って自社のマネジメントシステムを作ってね」ということです。

料理に例えると、
「このレシピの通りの手順でグラムや加熱時間も全部この通りにやってね。」というものではなく、「必要な材料とおおまかな手順は用意したから、これに沿ってやってみてね。材料は家にあるもので代替しても良いよ」というイメージです。

グラム単位で異なっていても、料理は出来上がると思います。
私はあまりグラムを図らない派ですが…それでも料理は出来上がります。

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まとめ


ISOは国も違えば、業種も業務内容も異なる中で世界単位での標準化を目指しているため、解釈に幅を持たせています。翻訳で更に幅が広がってもベースはあくまで解釈に幅を持たせたISOであるため標準化に支障はないものといえます。

企業が提供するサービスの継続的な改善のため、企業毎に最適化したマネジメントシステムの構築を認めているのがISOです。せっかく自由度が高いのに、ISO取得のためだけの業務を増やし本業に支障が出てしまっては、本末転倒です。

ISOの説明の違いや審査での指摘の違いには解釈の違いという原因がありました。つまりISOプロの見解がすべてではない、といえます。私たちのサイトも他のISOを説明しているサイトも解釈やISOのマネジメントシステム構築のアプローチが異なるのです。
ISOをどう解釈し、説明しているかはその企業や個人がどういう考えでISOに取り組んでいるかという判断基準になります。

今回は、ISOの審査会社やISOコンサルティングを選ぶためのひとつの基準になればと思い書き上げました。

ちなみにISOプロではISOが本来求める「事業が成長するISO」の構築を常に目指しているということはこの場を借りてお伝えできればと思います。

お読みくださりありがとうございました!今後ともISOプロを宜しくお願いいたします。

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