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ドラえもんのUXとISO国際規格である人間中心設計とは

ダメでヘタレなのび太くんをなぜドラえもんは助けつづけるのだろう。とずっと疑問でした。
ドラえもんは一話完結型だと思っていましたが、目的があってのび太くんを助け続けています。この話はドラえもんによるUXデザインによって物語が進んでいるのです。

意味や定義が曖昧なUX。これがUX!といった説明をするのが難しいです。そこで今回はUXをわかりやすく理解していくために、”ドラえもん”を交えて説明をしていきたいと思います!

また、UXを構成する要素の一つである、人間中心設計(ISO9241-210)についても触れていきますので、ぜひご一読ください。


UXとは

UX(User Experience)とは、「ユーザーの体験」です。サービスをつかうことによって「嬉しかった!」、「使って良かった!」とか「便利だった!」という一連の体験・感情を指しています。

UXの定義はさまざまですが大きく分けて、主観的・時間的・状況的の3つの要素が含まれると言われています。
簡単に説明すると下記のとおりです。

◎主観的側面
ユーザーが製品やサービスを体験することで、どのような感情や評価を抱くかを考える。
◎時間的側面
製品やサービスの利用前・利用中・利用後・体験する期間のすべてにおいて抱く感情や評価を考える。
◎状況的側面
ユーザーが製品やサービスを体験する環境や状況を考える。


サービスや製品の利用前・利用中・利用後・利用時間全体、それぞれに対してユーザー体験を考慮することが重要だと言えます。また、UXは基本的にポジティブであり、満足度が高くなるように設計されるものでなくてはいけません。

UXはユーザー目線で一連の体験や感情をストーリ化することですが、UXに似ているものとしてデザイン思考が挙げられると思います。
デザイン思考とは、ユーザーを理解し利用者の問題を解決するアイデアを創出することです。製品・サービスを作るうえで、価値提供したい対象(ユーザー)が最初から定まっています。

UXもデザイン思考もターゲットユーザーを観察することで製品・サービスを生み出しているんですよね。


定義が曖昧なUX

ここまでお話して、UXについてざっくり理解できてもなかなか腑に落ちない部分が多いです。定義が曖昧で意味が広義的なため私も理解するのが難かったです。

国民的アニメ「ドラえもん」の内容が、UXデザインされていることを知り、UXについて理解できました。


ダメで冴えないのび太の前に22世紀から来たのび太の孫の孫セワシとドラえもん。そこでのび太は自分の未来とその子孫たちの未来を聞かされます。のび太は会社に就職できず、自分で会社を作るも倒産。ジャイ子と結婚。莫大な借金を残し、セワシの世代まで返しきることができず、子孫はずっと貧乏。その未来を変えるためにドラえもんはやってきました。

ここからUXのお話を交えての説明です。ここでは、のび太を“会社”、しずかちゃんを“ユーザー”とします。

のび太【会社】としずかちゃん【ユーザー】を結びつけるためにドラえもんはさまざまなUXを考えます。
この二人を結びつけるためにはまず、のび太【会社】としずかちゃん【ユーザー】を知り、お互いの強みを明確にしたうえで、ドラえもんは二人のニーズに合ったUXを考えるのです。
ここで大切なのは、しずかちゃん【特定のユーザー】に限定して考えることです。ターゲットを明確にせず、UXを作ってたまたま釣れたのが“ジャイ子”だったら…これではのび太の未来は変わりません。ドラえもんは、しずかちゃんの心に刺さるようなUX考えてのび太に実践させ二人が満足するユーザー体験を提供します。

この話を聞いてUXの意味や役割がわかりました。
最初に何をして、次に何をして、すると結果はどうなるのか?結果を得るとユーザーの生活はどう成長するのか?を考え、ユーザー目線でストーリー化することが大切なのです。

人間中心設計(ISO9241-210)とは

UXを構成する要素の一つとして、「人間中心設計」と呼ばれるものがあります。定義が曖昧で意味が広義的なUXですが、この人間中心設計はISO9241-210と国際規格化されています。

人間中心設計とはわかりやすくいうと、使う人の観点でものを作るためのしくみです。ドラえもんで説明したようにユーザーのことを理解することはUXの基本中の基本でしたよね。

ISO9241-210では、6つの原則が定められています。下記のとおりです。


1、ユーザー、タスク、環境の明確な理解に基づいたデザイン
サービスを利用している人の目的や状況に合わせたデザインを行う必要があるとのことです。

・ユーザー:サービスを利用するユーザーは「どんな人か」
・タスク:ユーザーがサービスを利用する「理由」
・環境:ユーザーはどんな「状況」で、サービスを利用するか


2、デザインと開発全体へのユーザー参加
ユーザーに協力してもらいながら、サービス全体のデザインと開発をしていきます。ユーザーテストを行ったり、フィードバックをもらったりしながら、実際の利用者の声を聞きアップデートしていくことが大切です。


3、ユーザー中心の評価によるデザインの実施と洗練
デザインの作成も改善も、ユーザーを中心に行うことです。「デザインの洗練」では、実際にサービスを使ってみたユーザーの声を聞き、様子を見て、HCDサイクルを回します。すべての工程をユーザー目線で、ユーザーに評価を求めながら行うことが重要です。


4、プロセスの繰り返し
HCDサイクルを、繰り返し行う必要があるということです。HCDサイクルを1度回す=1度だけ改善するのでは、不十分です。


5、ユーザー体験(UX)全体に取り組むデザイン
人間中心設計=ユーザー体験(UX)をうみ出すためのプロセスでです。人間中心設計そのものを目的とするのではなく、人間中心設計はUXをつくるためのプロセスに過ぎません。


6、学際的なスキル・視点を含むデザインチーム
より高レベルなスキル・視点をもつチームを設計することです。エンジニア・デザイナー・ディレクターなど、高いスキルをもつ専門家や、ユーザー(人間)中心の視点で考えられるマネージャーで、チームを構成します。

UXの基本となる人間中心設計の国際規格ISO9241-210の6つのプロセスを、参考にUXを創り上げていくとスムーズかもしれません。


まとめ

今回は、UXと人間中心設計についてお話していきましたが、いかがでしたか。

ドラえもんの話がUXに例えられるとは思ってもみなかったですが、国民的アニメで考えてみると意外と理解するのが簡単だと思いました。
また、定義が曖昧なことからUXの意味はなかなか頭で整理しづらいです。
国際規格化されている人間中心設計について知ることで、少しずつUXについて理解できた気がします。


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