見出し画像

「大切な命」というスローガンへの違和感

生活の中で背負った役割を全部下ろし、ただそこに在ること。そこで偶然誰かと出会い、言葉を交わすこと。いまであれば不要不急と切り捨てられるそんなことが、生きることに実質を与えている。雑踏を俯瞰し数字にし、ある一つの視点から解説した瞬間に消えてしまう命のことが書いてある。

普段は医学の視点からの記事が多いBuzz Feedの岩永さんの記事。ぜひ読んで欲しい。

以下、ずっと思ってきたこと。


何回か行かせてもらったとんかつ屋のまるとしの店長さんは自死、8年間暮らした所沢にあった百味という居酒屋は廃業しました。半世紀以上店を構えた居酒屋です。


私の周りにはジム経営に関わっている人もいるけど、どれだけ工夫しても感染地域みたいにみられてしまう。ひどい場合は、人を殺す気かとなじられる。


この2ヶ月、大切な命、大切な命、と聞かされ続けてきたけれど、この言葉は世界にある様々な現場のうち、ある現場だけがものすごく大事で他の現場は大したことないんだ、そういう風に聞こえる時があります。


英雄視され、名前と顔を出してもなんの問題もない職業と、生きるために店を開けているだけでモザイクをかけられ、犯罪者のように取材される職業がある。


この差を見るたびに、命を大切にするって一体どういうことなんだろうと考え込んでしまいます。



お読みくださりありがとうございます。いただいたサポートは、フィールドワークの旅費、書籍購入など、今後の研究と執筆活動のために大切に使わせていただきます。