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「これ以上アイテムを持てません」という最悪のゲーム体験をなくすためのデザイン

今回は、みんな大好きゲームにおけるUXの話です。

さまざまなゲームで発生する「アイテム管理」の作業。
これがゲームの楽しさを損なってるんでは?……という素朴な疑問を発端として、プレイヤーに自然なアイテム管理をうながすためのアイデアを考えてみます。

ゲーム中のこんなイライラ、経験ありませんか?

いいアイテムが出た!と喜んだのもつかの間、無情にあらわれる「これ以上アイテムを持てません」の文字……

せっかくの出たアイテムを捨てるわけにはいかないので、そそくさと手持ちのアイテムを整理しはじめる……

最近ゲームを遊んでいると、こんな状況によくイライラさせられます。

イライラは、こんなケースでよく発生しているように思います。

GUI(スマホ・TV・パソコンなど)でプレイするゲームである
・プレイヤーの所持アイテム数の上限が決まっている
・所持アイテム数の状況はゲームのメイン画面ではわかりやすく示されていない
・ゲーム進行にともなって、その上限を超えた数のアイテムを取得(しようと)できる
・上限を超えてアイテムを取得しようとした場合、ゲーム進行を一時停止して所持アイテムの管理を余儀なくされる

なぜイライラしてしまうのか

これはもう間違いなく、「突然」「やりたくないことを強制させられる」のが原因でしょう。

・やりたいと思ったこと(アイテムの取得や、ゲーム内のほかの作業)が、突然できなくなる
・やるつもりのなかった作業(アイテムの整理)をしなければならなくなる

この状態を「楽しい!」と感じるプレイヤーは、ほとんどいないんじゃないでしょうか。

むかしは よかった……

個人的なゲーム経験の話になりますが、ぼくが子供のころよく遊んでいたのはアクションゲームやシューティングゲームでした。

これらのゲームでは、所持数の上限をこえてアイテムを取得した場合、アイテムが消え、かわりにスコア(点数)として獲得できるしくみになっていました。

アイテムを大量に貯められないようにすることで難易度を維持しつつ、上手なプレイヤーだけが(スコアで)得をするしくみで、うまくバランスがとれていたように感じます。

でも、現代のゲームは複雑です。

アクションゲームのように「点数を競うこと」がゲームの主目的ではなくなりました。 ゲーム内で「やれること」が増えたのにともない、ゲーム内でプレイヤーが「やりたいこと」も多様化しています。

アイテム管理は、こうして多様化したプレイヤーのニーズにこたえるために出てきた、必要悪な作業なのかもしれません。

(おまえがたまたまRPGをやってこなかっただけだろ!と言われればそのとおりかもしれません。でも、チームメンバーの藤崎さんにこの話をしたところ、子供時代のRPGプレイ中のアイテム整理がイヤでたまらなかった思い出をうちあけてくれました。やっぱりイヤですよね!)

荒廃した(アイテム管理)世界を生き抜くには?

必要悪といわれても、イヤなものはイヤ。なんとかしたいです。 「突然」「強制される」状況をなくすにはどうすればよいでしょうか?

いちど現実世界にたちかえって考えてみましょう。

たとえば、買い物にでかけたとします。歩いているときに突然「もう持てない!」という状況になることはほとんどないはずです。

買い物するにつれてバッグが買ったもので埋まっていく様子、バッグが重くなっていく様子は、バッグを持っているあなた自身がつねに体感しているからです。

GUIのゲームでもこれを応用して所持アイテムの状況をわかりやすく示せれば、「突然」発生するストレスはなくせるのではないでしょうか……?

以前遊んだオープンワールドRPGが、この点ですごく面白い工夫をしていました。

すべてのアイテムが「重さ」の情報をもっていて、所持数が増えるにつれて荷物が「重く」なっていくのです。そして、荷物が重いとゲーム世界での移動が困難になる(歩くのが遅くなる、長距離移動できなくなる)というしくみです。

この仕組みのおかげで、ほとんどのプレイヤーはふだんからアイテムの重さに気をつかうようになります。現実世界で無意識にやっていることとほとんど変わらない行為なので、ぼくも自然に受け入れられました。

「あたりまえ」のイヤなことをなくしたい!

ゲームでのストレス体験を考えることは、ぼくたちUXデザイングループがふだんとりくんでいる仕事と似ています。

「あたりまえのこと」としてつい見過ごされているサービスの課題は、ゲームに限らず、ISIDが手がけている製品やサービスにも同じように存在しているからです。

UXデザイングループでは、インタビューや行動観察などの調査手法を駆使してこうした課題を発見し、解決策を考えています。

ボードゲーム・脱出ゲーム・位置情報ゲームなど、さまざまなジャンルのゲーム好きがいるUXデザイングループのメンバーと、じっくりゲーム談義してみませんか?

【UIデザイナー】調査/設計段階から様々なサービスの構築/改善に携われる横断型デザイン組織のメンバーを募集!(株式会社 電通国際情報サービス)

tumblrより引用)

written by おぎわら
UIデザイナー。
ユーザビリティ評価とUI設計担当。好きな季節は冬。自宅で飼っている猫さまがくっついてくれるので。
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私たちUXデザイングループは、システムの中身をどのように設計し、どのように表現したら、使う人が心地よく、困ることなく使えるかを考え、インタビューを設計・実施したり、ワークショップを開催したり、実際に形にするところまで行なっています。 https://www.isid.co.jp/

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