DSC_7329のコピー

声は聞こえるのか

2016年9月14日〜21日までDEATH SIDEでイギリスに行き、帰ってきた翌日22日からFORWARDで日本国内ツアーに行ってきた。

9月22日西横浜エルプエンテにてCRIPPLE BASTARDSのJAPAN TOUR最終日に出演し、そのまま広島〜津山3カ所のショートツアーだ。

イギリスの疲れも時差もあったもんじゃないが、短いものではあるが久しぶりの国内ツアーは楽しみでもあった。

チェコで世話になったGIULIOのCRIPPLE BASTARDSとの共演は、FORWARDエルプエンテ初出演。

CRIPPLE BASTARDSはこのJAPAN TOURで、演奏の最後の曲でいつもDEATH SIDEにGIMMIE LIESをやっていたらしく、ツアー限定のソノシートにも収録されている。

FORWARDの出演が終わった後に「CRIPPLE BASTARDSの最後にDEATH SIDEの曲をやっているので一緒に歌ってくれないか?」との打診があり、これは歌わないわけには行かないので快諾したのだが、DEATH SIDE時代にもほぼライブでやったことのない曲なので、30分ほど聞いてセルフコピーをした(笑)。

GIURIOはイタリア人なのだが、カヴァーでは日本語で歌っていてかなり素晴らしいので、本人が間違えるわけにはいかない。久々に緊張したライブだが、観客もメンバーも盛り上がってくれ、少しはGIULIOへ恩返しができたかな。

初エルプエンテは素晴らしいライブになった。また是非出演したいライブハウスだ。

広島でのライブは恐らく8年ぶりだが、昔からの友達であるS.O.Bとの共演。地元で観るORIGIN OF Mにも格別なものがあったし、若い出演者たちが相当素晴らしかった。

会場にはスケボーのランプがつくられ、1階部分ではSUGIとIMAIという日本を代表するアーティストの絵画作品展示もあり、出演バンドも色んなタイプのバンドや若者も多く、広島シーンの力強さと柔軟さ、ブレない姿勢が伝わる素晴らしいライブだった。昔から続くシーンの素晴らしさを実感し、新たな血も加わっている広島シーンには、東京も見習うべき点が多いと思う。独自のシーンを繋げ続けている広島を感じた素晴らしい1日だった。

津山は近年盛り上がりを見せるPUNK CITYで、前から行きたいと思っていた街だが、そこに初めて呼んでもらえた。

東京で共演したLASTが呼んでくれたのだが、このときのLASTに一発でやられた。そのときに色々話したのだが、その後呼んでくれ初津山ライブが実現したのだが、テキサスのCHAOS IN TEJASで共演したSKIZOPHERENIA!の地元であり、このLASTと共に非常にレベルの高い素晴らしいバンドを排出している土地のライブは楽しみにしていた。

JAPANESE STYLEのDIYを実践し、素晴らしく熱い魂がこの街にPUNKを根付かせたのだろう。

試行錯誤を繰り返しながら、現在進行形でシーンが続く津山。海外のバンドも多く来日していて、久々にツアーの醍醐味を感じるライブだった。

そしてこのツアーには、以前このコラムで書いた80年代のジャパニーズハードコアパンクのドキュメンタリー映画の撮影クルーも同行した。

80年代のジャパニーズハードコアということではあったが、年代を問わず日本のハードコアに携わるもの全てを収める形になるかもしれない。

広島では、ORIGIN OF M/BROOD SUCKERのGUY、S.O.Bのセキとヤスエ、日本のハードコアバンドのジャケットやフライヤーなど多くを手がけるアーティストSUGI、IMAIへのインタビューも撮影していた。

津山ではウシロダ工房のウシロダへのインタビューや、みんなで呑んでいるところなども撮影していたようだし、移動中も酔った秋山なども撮影していたので一体どんな映画になるのか楽しみだ。

今後も様々な人へのインタビューを行ない撮影するようなので、何かあり次第書けることは書いて行きたいと思う。

日本のハードコアパンクを語る上で「どうしても外せない」という人物がたくさんいるが、オファーはきちんとして行く予定なので、もし実現すれば素晴らしいものになるだろう。

PUNKSだけに向けている映画では無いとのことなので、よくある音楽・バンド系ドキュメンタリーとは一線を画す作品になるように思う。

この素晴らしい日本のパンクシーンが、当事者から語られる事実により構成された映像として残るなんて…これは現実なのだろうか?

全てが実現したらいいなぁ。



写真 西横浜エルプエンテ。CRIPPLE BASTARDSでのDEATH SIDEカヴァーでGIULIOとのツインボーカル。

撮影 SAPP

*この記事は2016年に書いたものになります。

30年以上に渡るバンド活動とモヒカンの髪型も今年で35年目。音楽での表現以外に、日本や海外、様々な場所での演奏経験や、10代から社会をドロップアウトした視点の文章を雑誌やWEBで執筆中。興味があれば是非サポートを!