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英国に学ぶ。最新ソーシャルリスニングツールの特徴と使い方

ここまで進んでいる!欧米ソーシャルリスニングツール

現在、私の会社は、ロンドンと東京でコンテンツマーケティング業を営んでおり、そのサービスのひとつに「ソーシャルメディア・プロモーション」があります。欧州の協業企業らと話をする中で、この領域に関して彼らのアプローチ手法から学ぶことが多くあったのでここに紹介したいと思います。

まずはツールの重要性です。現在、英国には、自国のものも含めて米国やフランスなどから入ってきた最先端のソーシャルリスニングツールがあります。勢力図は数ヶ月単位で変わるようなのですが、この一年ほどでやや落ち着きを見せ、(あるソーシャルリスニングツール開発会社の担当者によると)おおよそ5社の製品に絞られてきました。「売り」はそれぞれにありますが、いくつか挙げておきましょう。

①TwitterやFacebookだけではなく、比較的新しいInstagramなど、あらゆるプラットフォームに対応
②画像認識ができる(顔の表情から「感情(専門用語でセンチメント)」を割り出したり、色の識別でエンゲージメントを計測するなど)
③多言語対応ができる(多言語の「感情」理解も可能)
④UIが洗練されている(報告書の作成にも便利)
⑤デモグラフィック情報、位置情報なども計測可能
⑥ソーシャル黎明期からデータ取得取得が可能
⑦インフルエンサーとそのネットワークの観察が容易

このように数え上げればきりがないのですが、とにかく、一言でいうと「使える!」。わたしの周りのソーシャル・エージェンシーなどは、もうガンガン使いこなしていますし、企業のマーケティング部門が独自に活用していることも多いと聞きます。

ツールを使ってインサイトを取れ

さて、そんな英国のソーシャルリスニング事情ですが、エージェンシーによるツールの使い方で、商習慣上おそらく日本ではまだ難しいといえるものがあります。それは、「インサイト」でクライアントから費用をとるということ。

どういうことかというと、まず、ソーシャルリスニングはデータを貯めてそれを眺めているだけではなんの意味もありません。データから「きっかけ」を拾い上げ、それをもとに仮説を立ててユーザーの投稿を検証をしていく必要があります。これが、いわゆるイギリス式インサイトで、こちらではこれにしっかりと対価が支払われるのです(おそらく日本では、対価の発生しない提案段階でインサイトが必要な場合が多いと思います)。ソーシャルリスニングを使ったインサイトは、妄想で練り上げたものではなく、実際の「生の声」を十分に精査して作られたものなので、その価値は大いにあるでしょう。

具体的な検証としては、例えば、ある製品の利用者の中で、ネガもポジも含めて気になるツイートをしている人たちを集め、座談会を開くことが一例です。これは、よくあるようなインフルエンサーの座談会ではありません。影響力がなくても、その発言が「きっかけ」を与えるものであれば、その投稿者を呼ぶのです。そこで、徹底的に製品について議論してもらう。エージェンシーはその内容をまとめて分析し、インサイトを練り上げていきます。こうした利用者の選定は、ソーシャルプラットフォームを使った直のハッシュタグ検索やダッシュボード上の管理画面からでは到底不可能です。デモグラフィックや位置情報が取れ、ネットワークの観察ができて、UIも洗練されたツールだからこそ実現するものだと思います。

「ソーシャルリスニング2.0」の時代へ

以上に見てきたように、テクノロジーの進化によって、デジタルマーケティングに有効なツールも日進月歩しています。ソーシャルリスニング領域も例外ではありません。やや大げさかもしれませんが、ディープラーニング(「もどき」も含めて)搭載のツールも開発され始め、個人的には「ソーシャルリスニング2.0」の時代がやってきたように感じています。各エージェンシー、とりわけコンテンツマーケターはこうした情報に対して常に敏感でいたいところ。われわれも、新たな「インサイト」を取るところからクライアントと共創・協同し、新しいコンテンツ作りに邁進していきたいと考えています。

最後に。私たちTAMLOは、英国のソーシャルリスニング企業に協力し、先に挙げた「売り」を搭載するツールの、日本語化プロジェクトを推進していました。昨年末に無事、実装が終わり、2月からテストマーケティングを実施する予定です。具体的には、「sake(日本酒)」や「オリンピック」などのキーワード、ならびにインバウンド市場の調査を始めます。4月には東京ならびに大阪でモニター募集をかねたイベントを開催するつもりですので、ご興味のあります方はお気軽にTAMLOのコンタクトよりご連絡ください!最新情報は私のツイッターでもつぶやいていきます。


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