見出し画像

上越立ち止まりスポット13(直江津中央町界隈1)


直江津駅から海岸通まで進む途中、左手奥まったところにテニスコートのある一角。「名子の浦」と書かれている。

宅地から奥まったところでわかりにくい場所である。昔の直江津の奥座敷、花柳界があったところだ。私の生まれた家はここから10分くらいの「砂山」。

昭和の終わりくらいまでは中央にテニスコートを囲んで割烹やバーなどが並んでいた。今ではほとんどが空き地や駐車場になっている。

画像1

画像2

子どもの頃から60年以上通っている上海軒がある。子どもの時の外食はここでラーメンを食べることだった。私の父は大盛りを食べ、肉の嫌いな母はチャーシューをわたしのラーメンにのせた。ここのラーメンは「直江津のしょ」にとって身体に染み付いた味だ。今でも昼時は座る場所がないくらい「直江津のしょ」が集まる。今時のラーメンとは違う「うまさ」がある。

テニスコートを今一度みると斜めに育った松の木がたくさん並んでいる。相当古くから植えられ、海風で斜めに育った松並木である。

画像3

戦国時代から今町と呼ばれた港町だった直江津には、もともと中島遊郭が天王町にあり、街の繁栄とともに砂丘側のこの地に移され、120名以上の娼妓がいたという。赤坂も神楽坂も元は花柳界だった。「名子の浦」というのは直江津海岸のこと。今は名残の名子の浦…だ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?