『戦略PRの本質』の読書メモ

PRのプランナー井口理氏の著書『戦略PRの本質』の読書メモです。
2013年に出版された少し古い本にはなりますがPRの本質を突いている良書でした。

戦略PRとは

生活者に自分ゴト化を引き起こすストーリーを構築する

企業と生活者のエンゲージメント 一朝一夕にできない
継続的な活動のもと獲得されるもの
やわらかなつながりの連続が強いエンゲージメントをつくる

情報価値を高める PR IMPAKT


IMPAKTが情報価値を高める

Inverse  逆説 
Most  最上級表現  
Public  地域性 
Actor  人に焦点を置く ヒトを介した情報発信のほうが具体的なイメージがわきやすい
Keyword ヤフーニュースの見出し
Trend 1年間でどのような機会が存在するのか把握しておく 

リポジショニングPR

受験応援お菓子
あなたは何派?それとも何派?
コアターゲットの決断に大きな影響力を持つ戦略ターゲットにアプローチする必要がある
→個人ではなくてコミュニティーにアプローチするほうが良い
コアターゲットを戦略ターゲットで包囲する
例:広辞苑の戦略的リブランディング
広辞苑の購買層は50代以上がメイン
→中学受験をひかえる小学生をターゲットにリポジショニング
コアターゲットは母親
どうする?
紙辞書が学習に良いと認識させる
祖父母、教育専門家、教師、インフルエンサーの活用など
→お母さん(コアターゲット)を影響力の高い人(戦略ターゲット)の意見で揺り動かす


PRはファクトありき
もともとあるサービスや商品のメリットを効果的に伝える

メディアによってファクトの切り口を変える→メディアによってニュースリリースを変える
「空港改善で経済効果」
「最新!空港スイーツ!」
「最新空港で巡るスイーツ旅」

戦略PRの5つの視点

1. ストーリーテリングの連鎖の創出
2. ニュートラルな視点でコミュニケーション手法を構築
3. 川上設計で広告とPRを連動
4. コーポレート&マーケティング・コミュニケーションの融合
5. 中長期のパートナーシップ

1. ストーリーテリングの連鎖の創出
ファクトに付加価値をつけたもの⇒コンテンツ
コンテンツを生活者にとって納得感のあるものにするにはどうする必要があるのか?
→生活者を取り巻く生活環境「コンテキスト」を「コンテンツ」に組み合わせる→「ストーリー」が生まれ生活者は「自分ゴト化」する
→エンゲージメントが生まれる
「自分ごと化」を生み出す「ストーリー」の発信を「ストーリーテリング」という
生活者の中からも「ストーリーテラー」、生活者同士の「ストーリーテリング」はかなり強力


2.ニュートラルな視点でコミュニケーション手法を構築
ターゲット設計においても、コアターゲットだけではなく戦略ターゲットも共感するようなストーリーテリングが必要。使用媒体や手段も都度検討する必要がある。
「PRしてほしい」と言われたときには固定概念からパブリシティだけを獲得することだけを目的にするのでなく、ニュートラルな視点でコミュニケーション施策を考え選択していくことが「戦略PR」を実践する上で必要なこと。


3. 川上設計で広告とPRを連動
キャンペーンにおける各施策の「コンテンツの連動」と「タイミングの連動」をすり合わせ確認することが重要。
例:江崎グリコのAKB
クリエイターにとっても石ころみたいなコンテンツもユーザーには刺さったりもする
「コンテンツ連動」「タイミング連動」の戦略的な設計


4.コーポレート&マーケティング・コミュニケーションの融合
カンヌの事例 商品・サービスのPRでも必ず会社の姿勢などのメッセージも込められているコーポレート・コミュニケーションとマーケティング・コミュニケーションの融合
コーポレートブランドも発信することで社会的意義などの価値も付与できる
→上記を実現させるには経営層に近いところにPRパーソンがいる必要がある
「企業の情報参謀」「メッセージ立案の情報コンサルタント」


5.中長期のパートナーシップ
PR会社とクライアントの長期的な共同が必要≒中長期的な取り組みが必要、戦略PRの成功は一日にして成らず

▼書籍はこちらから


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?