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20年越しに果たしたリベンジ。後半の左サイドを制圧した「戦術・タツヤ」と「援軍・ノボリ」。そして最後は「家長ゾーン」。 (天皇杯2回戦・ソニー仙台戦:3-2)

 等々力競技場での天皇杯2回戦・ソニー仙台戦は3対2で勝利。

 ソニー仙台とは1998年11月1日に行われた、JFL最終節以来の対戦です。前回の対戦から20年が経ち、その間に川崎フロンターレはJリーグのチャンピオンチームにまで登りつめました。

 本来であれば、圧倒的な力の差を見せて勝たなくてはいけない試合でした。

 しかし、この日の等々力競技場で起きていたのは、まさかの大苦戦。前半だけで2点のビハインドを許す展開となりました。最後の最後に勝ち越して、なんとかJリーグ王者の面目を保ちましたが、いやはや・・・冷や汗をかきました。

 なぜこんなことが起きてしまったのか。

 今回のレビューでは、前半のピッチで起きていた苦戦の原因となった現象と、巻き返しに成功した後半の戦い方を中心にした視点で掘り下げています。ラインナップはこちらです。

1.「いくつかチャンスがあった中で決めきれなかったことも含めて、これぐらいで行けるんじゃないかという雰囲気が漂ってしまったのかなと」(鬼木監督)、「そこで隙が生まれたかもしれない」(谷口彰悟)。3度の決定機を仕留め損ねてしまった立ち上がりと、その代償がチーム全体に与えた影響とは?

2.「自分が上がった後を狙っているのは感じていた。あそこはセンターバックと話さないといけない」(車屋紳太郎)。2失点はなぜ起きたのか?執拗に狙われ続けていた左サイド・車屋紳太郎の背中と、エドゥアルドとの連携。

3.「1失点目のシーンも僕のパスミスから始まっている。そこも自分が通せるようにしないといけない。そうすれば失点はしなかった」(脇坂泰斗)。初先発も、持ち味を出せずにわずか38分の出場。新人・脇坂泰斗が語った反省点と、彼が見据えているもの。

4.「怒ってましたが、感情を表に出すのではなかったですね」(長谷川竜也)、「監督は相当怒っていましたけど、怒鳴りはしなかった」(谷口彰悟)。2点のビハインドで迎えたハーフタイム。ロッカールームで指揮官が選手たちに示したのは、去年のアウェイ・サガン鳥栖戦(3-2)とは違うアジテーション(扇動)だった。

5.「それがチームのためになったのはよかったです」(長谷川竜也)。反撃の狼煙をあげた追撃弾。後半の左サイドを制圧した「戦術・タツヤ」と、抜群のサポートを続けた「援軍・ノボリ」。


6.「良い形でシュートまで持ち込めたので、冷静に打つことができた」(家長昭博)。貫禄の1得点1アシスト。田中龍志郎を翻弄し続けた局面勝負の駆け引きと、決勝弾が「家長ゾーン」から生まれた理由とは?

以上、6つのポイントで全部で約9500文字です。本当は6000文字ぐらいの予定でしたが、ついつい書き過ぎてしまいました。ぜひ読んでみてください。

なお、プレビューはこちらです。➡️試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(天皇杯2回戦・ソニー仙台戦)

では、スタート!

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