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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第29節・ベガルタ仙台戦)

 10月14日は等々力競技場でベガルタ仙台戦です。

 先週のルヴァンカップ準決勝の連戦に続き、今度はリーグ戦でベガルタ仙台戦です。公式戦で3試合連続で対戦するというのは、なかなか珍しいと思いますね。

 お互いに多少の選手の入れ替えはあるとはいえ、チームの骨格的な構造であったり、戦術的なポイントなどは把握しているわけで、手の内をわかっている中での戦いになります。

 当然、そこに関する組みやすさと組みにくさがあるわけで、それはピッチで対峙する選手だけではなく、ゲームプランを考える鬼木監督もしかりだと思います。

 試合前々日の囲み取材では、そのへんのポイントを聞いてみました。3試合連続で対戦する相手に対して、チームを持っていく難しさをどう感じているのか。鬼木監督が強調するポイントは、戦術面ではなく「気持ちで上回ること」でした。

「3戦目ということで、やりかたやうんぬんはお互いにわかっている。一番大事なのは気持ちのところ。こないだは勝ってウチが(決勝に)上がりましたが、1戦目と含めたら1勝1敗。自分たちで勝ち越してリーグにつなげたい。その気持ちをどれだけ出して戦えるか、というところですね」(鬼木監督)

 同じように、気持ちを強調していたのが小林悠キャプテンでした。

「リーグとカップで変わるが、自分たちが目の前の試合に集中すること。負けた後の試合のほうが、やってやるという気持ちになる。相手は強い気持ちを持ってくるだろうし、それを上回る気持ちが必要になる」

 となれば、まずは「緩いゲームの入り方」をしないことですね。
アウェイだったとはいえ、ルヴァンカップ準決勝第1戦では、立ち上がりから相手の気合いに押されて、耐えきれずに3失点を喫してしまいました。そうではなく、第2戦のように、自分たちがボールを握ってゲームを進めていくという強い意志を出すこと。それが求められます。

 それでは試合の見所についてディープに語っていきたいと思います。
同じ相手だからこそ、いつもとは試合のポイントも少し変わるのが面白いところ。

今回のラインナップはこちらです。

1.「ちょっとコンディション的なところで大事を取って、ですね」(谷口彰悟)。車屋紳太郎が合流も、最終ラインに思わぬ懸念が発生。3試合連続となるベガルタ仙台戦の、予想スタメンは?

2.「あいつもメンバー外の時期が長くて、すごく苦しんでいるのは知っていた」(車屋紳太郎)、「シンタロウくんが(日本代表に)入ったのは不思議な感じ(笑)」(三好康児)。気を使っているようでまったく気を使っていない車屋と三好の不思議な関係がチームにもたらしてくれるもの。

3.「どっちが型にはまりすぎずに、イマージネーションや発想力を出していければと思う」(小林悠)、「細かいところの勝負になる」(中村憲剛)。3試合連続での試合だからこそ、勝負を分けるポイントは、発想力と細部のクオリティ。

4.「10人になっても走り抜いて、体を張って、そして最後に点を取ってくれて・・・・そういう意味では僕自身、勇気を与えてもらった。みんなのために頑張らないといけないと思った」。同じ場所で、同じ相手との一戦に臨む奈良竜樹が語った、この1週間の胸の内と、これからのこと。

5.「それ(400試合目)で自分のプレーが何か変わるのかというと、そういうことはない。どの試合も自分を作り上げてきた試合。チームのために持っているプレーをやるだけかなと」。仙台戦でJ1通算400試合達成となる中村憲剛が、試合前日に語ったこと。

 以上、5つのポイントで冒頭部分も含めて約7500文字です。

これを読んで試合のイメージを掴んでみてください。


なお、ルヴァンカップ準決勝のレビューも公開中です。

アウェイの第1戦のレビュー→ボールを取り上げられた前半の川崎F。ミラーゲームだからこそハマった、二つの原因とは?そして、初ゴールは突然に。(ルヴァンカップ準決勝1stレグ・ベガルタ仙台戦:2-3)

ホームの第2戦のレビュー→失点直後に輪を作って意思統一をした選手たちと、明確なメッセージを伝え続けた指揮官の采配力。そして試合前日に中村憲剛が語った、鬼木監督から託されているもの。(ルヴァンカップ準決勝2ndレグ・ベガルタ仙台戦:3-1)

よろしくどうぞ。

では、スタート!

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