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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第26節・アビスパ福岡戦)

8月25日はベスト電器スタジアムでアビスパ福岡戦です。

 ベスト電器スタジアムは博多の森球技場として有名ですね。
川崎フロンターレがこのスタジアムに乗り込むのは、2016年以来となります。

ちなみにこの時は、勝てば初優勝の可能性もあった1stステージの制覇をかけて乗り込んだ一戦でした。しかし、最下位のアビスパ福岡に立ち上がりに2点を先行される苦しい展開となり、何とか追いつくも痛恨のドロー決着。土壇場で鹿島アントラーズに首位を譲る結果となり、結局、1stステージ優勝にも届きませんでした。そんな苦い記憶が残る場所でもあります。

ただ川崎フロンターレの歴史の中で「博多の森」といえば、1998年のJ1参入決定戦が最大の出来事かもしれません。Jリーグ史に残る激闘として知られている一戦です。「神を見た夜」として作品にもなっており、川崎側からすれば「博多の森の悲劇」でもあります。(詳細を知りたい人は調べてみてください)。

 そして23年前のその試合にスタメンとして先発していたのが、現在監督を務める鬼木達です。2017年からチームの指揮を執っているので、監督としては初めての博多の森です。せっかくの機会なので、福岡戦のオンライン囲み取材で「鬼木監督にとって、1998年のJ1参入決定戦はどういう記憶なのか」と尋ねてみました。

 鬼木監督は「そうですね・・・」と言い、こんな唐突な質問にも、自分の遠い記憶の引き出しを引っ張りだしてくれました。

「自分の中では一番というぐらい記憶に残っているゲームです。あの参入戦のためにシーズンをずっと戦ってきて、その権利を勝ち取っての舞台でした。またチームも尻上がりで良くなっている感覚があった・・・・全てをかけた戦いでしたね。自分自身も決して悪いパフォーマンスではなかったですし、気持ちの入った試合をやれていました」

現役時代を振り返って「一番というぐらい記憶に残っているゲーム」であり全てをかけた戦い」と称する時点で、あのゲームに関する重要性が伝わると思います。

そして「でも・・・・」と言葉を続けます。あの試合の展開と結末から学んだこともあったのでしょう。それは鬼木達のサッカー観と勝負観にも大きな影響を与えたものがあったようでした。

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