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動き出した時間の中で。 (リーグ第11節・セレッソ大阪戦:3-2)

令和3年3月3日、等々力陸上競技場でのセレッソ大阪戦は3対2で勝利。

 川崎フロンターレが見事な逆転勝ちで開幕2連勝を飾りました。まだ公式戦3試合目ではありますが、今季初めてリードを許す展開となり、決して簡単なゲームではなかったと思います。

 試合から一夜明けた翌日のオンライン取材。山根視来は勝因をこう振り返っています。

「相手のスーパーゴールとか、自分たちの隙を見せて失点してしまい、難しくしてしまった。失点した後もブレないで、ゆっくりと動かしながら、相手をスライドさせることをして相手の体力を減らす。それが後半の同点、逆転につながった要因じゃないかなと思います」

 慌てず、ブレず、たじろがず。
たとえ2度リードされる展開でも、90分が終わる時に勝っていればいい。「勝者のメンタリティー」と言いますか、そんな余裕すら記者席から感じる、落ち着き払った試合運びでした。

 一方、2得点を奪ったもののヒーローになり損ねたのが大久保嘉人です。試合後のオンライン会見で、「やっぱり川崎が一つうまかった」と言います。

「最初のプランは自分たちがボールを持ちながら、ディフェンスラインが高いので、その裏や間で受けていく。そこからゴール前に持っていく。ただリードしていると向こうも前がかりになる。ボールを持たれても、間を締めながら取りに行く形を途中まではうまくいっていたが、やっぱり川崎が一つうまかった。3人目が出てくるので」

 セレッソからすると、途中まではうまくいっていたけど、最終的には上回られてしまったという試合だったのでしょう。確かにフロンターレからすると、前半は相手のプランにはまった感じがありましたからね。でも、そこからどうやって巻き返していき、逆転まで持って行ったのか。レビューではそんなところに注目しながら書いております。

では、試合を振り返っていきたいと思います。ラインナップはこちらです。

■「坂元選手が横から来て、松田選手が対面に居るっていうシチュエーションが多かった」(三笘薫)。狙い通りの奪い方から呼び込んだC大阪の先制点。徹底されていた「ミトマシフト」とは?

■「今はディフェンスとの駆け引きだけで済んでいるので。自分に自信はある。2試合目でこの感覚で行けるので、この先につながると思います」。今を生きるストライカー・大久保嘉人。そして前人未到の200ゴールに向けて再び回り始めたYOSHI METER。

■「センターバックよりダミアンの方が強いな、と思っていた。この試合に限っては、クロスをシンプルにあげてもいいという声が監督からもあったし、僕もそう思っていた」(山根視来)「こういう舞台で戦えることは良い経験になると試合前に思ってましたが、自分の個人技量よりダミアン選手の方が全然上でした」(西尾隆矢)。試合を通じて使い分け続けた、中と外の攻撃リズム。そこに「高さ」も加えた理由とは?

■「あのシーンは伝えていたので、自分の落としたボールを活用して素晴らしいゴールを決めてくれたと思う」(L・ダミアン)、「相手のGKのタイミングをずらせば、あの距離からでも入る。勝手に体が動いた感じです」(三笘薫)。沈黙の前半から一転、後半に示したミトマシフトの攻略と、感覚で決めた決勝弾。

以上、4つのポイントで全部で約10000文字となっております。

中二日で週末のベガルタ仙台戦なので、軽めの5000文字ぐらいのコンパクトボリュームで良いかなと思ってましたけど、書きたいことも多かったので、結局、1万文字です・笑。ぜひ読んでみてくださいね。

なお、プレビューはこちらです。→試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第11節・セレッソ大阪戦)

では、スタート!

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