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「勝った負けたで判断したら、またごちゃごちゃになる」(家長昭博)。10人で見せ続けた王者の猛攻。その中心にいた家長昭博が語った、負けたからこそ、冷静に向き合うべきこととは?(天皇杯準々決勝・モンテディオ山形戦:2-3)

 NDスタジアム山形でのモンテディオ山形戦は2-3で敗戦。

「山形まで駆けつけてくれたサポーターの方、そしてテレビの前で応援してくれたサポーターの方に"本当に"申し訳なく思っています。"本当に"しっかりと勝ち続けたかった大会ですし、優勝を目指していたので、残念に思っています」

 試合後の監督会見に現れた鬼木監督は、「本当に」というフレーズを2度、口にしました。それも、2度ともそこで力を込めて強調していたようにも聞こえました。それだけ気持ちが入っていたということなのでしょう。落胆を隠せない様子でした。

 試合としては、立ち上がりにセットプレーで失点。そのアドバンテージを生かす守り方をする相手を攻略できずに、さらに失点を重ねてしまう・・・・川崎フロンターレが直近で負けた、リーグ戦のガンバ大阪(第25節:0-2)を、どこか思い出すような負け方でした。

 負けは負けとして受け入れなくてはいけませんが、大会が終わってしまうカップ戦の負けは、リーグ戦とも違う悔しさがあるものです。

本当にたくさんのことが起きた試合でしたが、現地観戦と取材で感じたことはゲームレビューに盛り込みました。今回のラインナップはこちらです。

1.「1点目を取られたことが試合の構図を決めた」(中村憲剛)。あってはならないことが起きた立ち上がり。セットプレーに「全身全霊」をかけてきた相手と、自分たちから見せてしまった「隙」。

2.「相手はゴールをしてから、すぐに後ろに引いてブロックを組む形で守っていた」(エウシーニョ)。前半だけで6本を記録したオフサイドの意味。山形守備陣の「勇気」を攻略できなかった前半の原因を探る。

3.「相手がブロックを組んできて、ただボールを回しているだけで怖いところに入れていなかった」(知念慶)。もがきながらも、できることをやり続ける。後半に2得点と気を吐いたストライカーが背負い始めた責任。

4.「勝った負けたで判断したら、またごちゃごちゃになる」(家長昭博)。10人で見せ続けた王者の猛攻。その中心にいた家長昭博が語った、負けたからこそ、冷静に向き合うべきこととは?

5.「もう1回リバウンドメンタリティーと言いますか、すごくそういうものがすごく必要なゲームだったと思いますけど、そこで少し引きずっていたような気はします」(鬼木監督)、「神戸に勝ったことで余裕が生まれてしまったのかもしれない。そこは突き詰めていかないといけないし、これを教訓として生かしていかない」(谷口彰悟)。会見で「本当に」というフレーズを2度口にした指揮官。複数のタイトル獲得を目指す中で感じさせられた、メンタルコンディションのマネジメント。

 以上、5つのポイントで約9000文字です。負けレビューは書いていても苦しいですが、読み応えはあります。よろしくどうぞ。

なおプレビューはこちらです。➡️試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(天皇杯準々決勝・モンテディオ山形戦)

では、スタート!

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