「恐れることを、恐れるな。フロンターレらしく進め。」 (リーグ第24節・柏レイソル戦:0-0)
試合後のオンラン会見に現れた鬼木達監督は、「まず・・・」と切り出したあと、「うーん」と数秒ほど黙り込み、ゲームを振り返るコメントがすぐには出てこないようだった。鬼木監督としては珍しい光景である。
それも、そうかもしれない。
チームは得点にこだわり、今シーズンも全ての試合でゴールを奪ってきていたのだ。無得点に終わったのは公式戦40試合ぶり。それも相手は10人だった。
あまり慣れていない結果に、試合全体を「勝ち切らないといけないゲームでした」と総括し、主に二つの反省点を述べている。
「立ち上がりの入りのところで、攻守で少しアグレッシブさが足りなかったと思います。そこは次に向けて改善点としてやらないといけないところです。あとは1人少ない相手に勝ち切ることは、必要な部分だったと思います。得点のところは、もっと貪欲にいきたかった。もちろん、相手のGKが当たっていたというのはありますが、それでも勝ち切りたいゲームでした」
この試合を振り返ろうとする時、ピッチ上で起きていたいくつかのポイントを挙げる必要があると思っている。
勝てなかった要因を「三笘薫がいなくなったから・・・」、「田中碧が抜けた穴が・・・」で片付けるのはたやすいが、この試合に関して言えば、別にそういう話でもないのではなかろうか。
(※8月16日、鬼木監督の談話に関するコラムを追記しました)
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