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鬼木フロンターレを読み解く講座vol.4〜言葉について語る時、指揮官が大切にしているもの。

どうも、いしかわごうです。

第4回目の今回は、鬼木達監督が発する言葉についてです。

 サッカーの監督は、みな言葉を大切に扱います。
トレーニングやミーティングで選手に伝える際はもちろんですし、メディアを通じて発する言葉に対しても細かく気を配ります。

 ジェフ時代のイビチャ・オシム監督は、ユーモアを交えながら発する哲学的な発言が「オシム語録」として話題になりましたし、風間八宏前監督は、より噛み砕いた言い回しでその理論を表現するので「風間語」と言われていました。

 鬼木監督に関して言えば、「語録」のようなものを言ったり、独特な言葉使いはしないタイプの指揮官だと思います。練習の囲み取材でもそうですし、試合後の監督会見でも、聞かれたことに対しては率直かつ誠実に答えようとする人です。質問を煙に巻くような言い方をした記憶もありません。これは就任4年目の今も同じスタンスだと思います。

 世界を見渡せば、監督会見で質問を煙に巻いたり、記者と舌戦を繰り広げる監督もたくさんいます。

 よく覚えているのは、2017年のAFCアジアチャンピオンズリーグに出場した年に対戦した広州恒大のルイス・フェリペ・スコラーリ監督ですね。2002年のW杯日韓大会で母国・ブラジル代表を率いて優勝経験のある世界的な名将は、会見場でもさすがの百戦錬磨ぶりでした。

 ACLでは試合前日に会見があるのですが、その質疑応答で・・・主に中国メディアからの質問でしたが、例えば「過去にこういう発言をしていたが、いまはどう考えているのか?」といった問われても「そんなこと、言った記憶がないですね」とすっとぼけたり、選手起用に関する質問には、「じゃあ、逆に聞きますけど・・・」と質問者に切り返したり・・・ 他にも答えにくいような回答には、「それは隣にいる彼(中国選手)のほうが語れますね」と会場に笑いを起こしてから、うまく逃げてから当たり障りなく答えたり・・・のらりくらりと質問を煙に巻いてしまうあの技術は、脱帽でした。当時新人監督だった鬼木監督が真摯に答えようとするタイプだっただけに、その姿はより対照的に映りましたね。

 ・・・と話が少しそれてしまいましたが、今回は、鬼木達監督が発する言葉についての内容です。

 鬼木監督は言葉を発するときに何を大切にしているのか。選手からも「モチベーター」だと評されてますが、2017年のミーティングや試合でのエピソードなどを交えながら、語っていきたいと思います。

これまでのバックナンバーはこちらです。

vol.1〜未整備だった領域の定跡化。指揮官就任後に着手したチーム作りの初手を振り返ってみる。

Vol.2〜「失点を減らしながら勝つ」。そのために必要不可欠な「粘り強さ」を浸透させたシーズン序盤の我慢。試行錯誤を経てピッチで躍動し始めた選手たちと、そこにあった指揮官の舵取り。

vol.3〜「誰よりも選手を見ているつもりですし、常に考えていると自分では思っている」。優勝後に語った、初采配に込めていたある決意。

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