簡単には屈しない。死闘に持ち込んだ選手たちの執念。(リーグ第16節・サンフレッチェ広島戦:2-3 ※延期試合)
エディオンスタジアム広島でのサンフレッチェ広島戦は2-3で敗戦。
リーグ戦では16戦ぶりの負け。負けなしリーグ戦のアウェイゲームでは今季初黒星となりました。
この試合を語る上で触れておかなくてはいけないのが試合環境でしょう。
キックオフ時の気温は28.8℃。夜なので暑さはそれほどではなかったのですが、湿度が83%で、風がほとんどありません。蒸し暑さがあり、記者席で観戦しているだけでも息苦しさを感じるほどでした。現地にいないと伝わりにくかもしれないですが、サッカーをするには本当に過酷な試合環境でした。
それだけに追いかける展開は避けたかったのですが、立ち上がりにセットプレーで失点。そのアドバンテージを生かす守り方をする相手を攻略できずに、再び失点を重ねてしまう悪循環に・・・・自分たちから「隙」を見せてしまい、結果的に大きすぎる代償を払うことになりました。去年の天皇杯のモンテディオ山形戦(2-3)やリーグのガンバ大阪戦(0-2)を思い出す負けパターンだったかもしれません。
試合後の監督会見で鬼木監督は、「甘さが出た」と指摘します。
「ゲームは最初の入り方のところ、特にセットプレーのところで失点してしまった。そういう失点はあるとは思いますが、そのあとの前半のうちにもう1失点してしまってしまった。そういうところの甘さがこのゲームに出てしまいました。そこの部分は改善しなくてはいけないと思っています」
今季リーグ戦で初めての複数失点。ディフェンスリーダーの谷口彰悟も「甘さ」を認めます。
「甘かったです。全部、甘かった。CKもそうだし、2失点目もそうだし、3失点目のFKもそう。悪いところが全部出た。3点ビハインドは難しい。その状況を作ってしまったことを、後ろは反省しないといけない」
負けは悔しいものですが、しっかりと問題点を見つめ直して、次に向かうしかありません。今回はそんなレビューにしてみました。ラインナップはこちらです。
1.「なかなかそれでは崩れない。コンディションを言い訳にはしてはいけないが、もう少し動きを出したかった」(谷口彰悟)。どこか緻密さと緩急を欠き続けた前半の攻め筋。ブロックの「外」でボールを動かすだけで、ボランチの背中を突けなかった要因とは?
2.「少し後ろに重かったし、前との距離も遠くなってしまった」(下田北斗)。今季初の組み合わせだったボランチコンビのミスを誘った、広島の巧妙な守備対応。
3.「(監督からは)ボランチの一つ前で、ちょっと高めのポジションを取りながらボールに絡みながら、シュートを打てるようならば打ってくれと(言われていました)」(山村和也)。「ヤマくん(山村和也)が前に出てくれて、間、間に立つことで、(相手が)どっちに行けばいいかわからないというところを作り出してくれた」(下田北斗)。相手の読み筋を外すための、山村和也投入。ハーフタイムの鬼木采配を読み解く。
4.「最低でも引き分けまでは追いつきたいと思っていた」(レアンドロ・ダミアン)、「そこはもうリスクを負っていくしかない。これでやられたらしょうがないぐらいの覚悟はできていた」(谷口彰悟)。死闘に持ち込んだイレブンの執念。簡単には屈せず、次に繋がる何かを示した敗戦。
5.なぜ家本政明主審が裁く試合とは抜群に相性が良かったのか。16試合で止まった連勝記録を真面目に考えてみる。
6.「あのまま終わらない。それがすごく大事なことでした」(鬼木監督)、「負けは負けだけど、ベンチも含めて一丸となって戦っていた」(齋藤学)、「この負けをどう生かしていくかで最後、景色が変わってくる」(小林悠)。3点ビハインドになった瞬間、指揮官はどんなプランを考えたのか。その意外な答え。そして、この敗戦を糧にするために、選手たちがオフ明けに語ったこと。(※8月2日追加取材)
以上、6つのポイントで約11000文字です。担当試合の連勝記録が止まったこともあり、家本政明主審にも触れております。さらに8月2日の練習後取材でポイント6を追記しました。これをただの敗戦で終わらせないための、チームとしての姿勢を感じさせてくれました。読んでいただけたらと思います。
なお、プレビューはこちらです。→試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第16節・サンフレッチェ広島戦 ※延期試合)
では、スタート!
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