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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第23節・大分トリニータ戦)

8月9日は昭和電工ドーム大分で大分トリニータ戦です。

たくさんのモノを感じ取った東京五輪が幕を閉じ、「俺たちのJリーグ」に切り替えて過ごす日々が、また始まっていきますね。

8月某日、久しぶりに麻生グラウンドでのトレーニングが公開されました。

一体、いつ以来の麻生取材だったのか・・・・ACLのウズベキスタン遠征前が最後だったので、約2ヶ月ぶりぐらいかもしれません。

再開に向けて準備しているチームの表情をじっくりと見学してきました。

・・・にしても、現場は暑過ぎました。

そら、そうです。

東京は熱中症警戒アラートが出ているような日ですからね。その場で立って見学してるだけでも汗だくになり、ちょっと頭がボーっとしてくるような炎天下。持参したミネラルウォーターを欠かさず飲んでも、あっという間に飲み干してしまう・・・・冗談みたいな猛暑でした。

立っているだけでも暑い日差しなのに、選手たちは約2時間に渡って、自分たちを研鑽していました。ボールを追いかけながら、ときには泥臭く、歯を食いしばりながらも、全力でスプリントし続ける。仕事だからとはいえ、あの信じられないような暑さでも、トレーニングに取り組み続ける光景には感じるものがあります。

 でもこの姿が、現在のJリーグで一番強いチームが向き合っている日常の練習における「リアル」なのだということ。

 僕なんぞは冷房の効いた部屋で、テレビを見ながら好き勝手に論じているわけですけど、彼らのあのパフォーマンスというのは、あの暑い現場で汗をかきながら、試行錯誤の末に研鑽して身につけて表現しているということ。東京五輪の開催中だったということもあって、そんな思いも重ねてしまいましたが、あの暑さに耐えながら自分も現場取材することで、そんなことも少し考えさせられましたね。

 現在は緊急事態宣言中ですから、現場に足を運ぶことよりも、オンラインで取材したり、DAZNやテレビで試合を観戦することがスタンダードになっている状態です。それは受け入れなくてはいけないですけど、現場では色々な制約を抱えた環境下で試行錯誤しながら、みんなが泥臭く汗を流している。そこのリスペクトは忘れずに、語っていきたいとあらためて感じました。

 そんな中で迎える中断明けの大分トリニータ戦です。
アウェイでの大分トリニータということに関していえば、少なからず因縁があります。

 今季いまだに公式戦無敗をキープしているフロンターレにとって、直近の黒星となるのが去年10月に喫したアウェイでの大分だったからです。

 勝てば優勝の決まる一戦でしたが、守備の要であるジェジエウが出場停止。中2日で迎えたアウェイゲームで、中17日で準備してきた片野坂監督のゲームプランがハマり、前半から主導権を握られ続ける厳しい展開。さらに前半途中でPKを与えた谷口彰悟が退場となり、10人の数的不利に。後半に巻き返したものの、追撃が及ばず0-1で敗戦。九州の地でシャーレを掲げることはできませんでした。

 去年のあの敗戦は現在のチームにとって、モチベーションの材料になるのか。

そんな問いに対して、鬼木達監督はこう言います。

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