窮屈だった右サイドと、広大だった左サイド。「自分たちの距離感」で守ってボールを奪うサガン鳥栖に、「自分たちの距離感」でボールを回して攻め込めず。 / ワンポイントレビュー:リーグ2nd第8節・サガン鳥栖戦:0-1

ベストアメニティスタジアムで行われたサガン鳥栖戦は0-1で敗戦。川崎フロンターレとしては、リーグ戦17試合ぶりの黒星となりました。

 様々なことが裏目に出た展開となり、試合内容からすると、GKソンリョンが踏ん張ってくれなければ、大量失点を喫していた可能性もありました。それを最少失点でとどめたように、負けはしたものの、今年のチームは「負け方」も去年までとは違うと感じたのも事実です。

 それに、勝てるヒントがなかった試合だったかというと、決してそんなことはなかったと思ってます。今回のレビューでは、そのへんのヒントも盛り込んでみました。

では今回のラインナップです。

1.苦戦の前半を振り返る。鳥栖のプレッシングと、それをはがすビルドアップで起きていた駆け引き。

2.32分、長谷川竜也の決定機にあった鳥栖守備陣攻略のヒントとは?

3.窮屈だった右サイドと、広大だった左サイド。「右と左で違いを考えないようにしていたが、違いはあった」(武岡優斗)。活かしにくかった武岡優斗の左SBと、もっと活かしたかった左CB・谷口彰悟の持ち運びとゲームメーク。

4.逆襲の後半でおきた誤算。巻き返しのタイミングで起きた、3つの裏目とは?

5.徹底されていた鳥栖のロングボール攻撃。「あれをちゃんと処理しすぎた。ラインを上げ過ぎずに、低い位置でコンパクトにしてもよかったのかもしれない」。谷口彰悟が口にした、ライン設定における柔軟性の是非。

今回は5つのポイントで約6500文字です。負け試合のレビューなので、なぜうまくいかなかったのかを検証していますが、勝てる可能性も十分あったと思います。それを読み取ってもらえると幸いです。よろしくどうぞ。

なおプレビューは、こちら。→試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ2nd第8節・サガン鳥栖戦)

では、スタート!

ここから先は

7,199字
この記事のみ ¥ 300

ご覧いただきありがとうございます。いただいたサポートは、継続的な取材活動や、自己投資の費用に使わせてもらいます。