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「愛のしるし」(リーグ第30節・柏レイソル戦:1-1)

 三協フロンテア柏スタジアムでの柏レイソル戦は1-1のドロー。

 御厨貴文主審によるタイムアップの笛は、少し早いようにも思えました。谷口彰悟キャプテンが強い口調で抗議に行き、試合後は珍しくフロンターレの選手が詰め寄っています。御厨主審はしっかりと説明していたように見えましたが、客観的に見ても「どうなのか」と首を傾げたくなるタイムアップの笛に感じました。

 最初、表示されたアディショナルタイムは4分です。ただアディショナルタイム中に柏の選手の治療とそこでの交代がスムーズに行われず、約2分ほどの時間が消費されました。DAZNの中継を見直してみると、91分10秒頃にプレーが止まって、再開したのが93分15秒でした。丸々2分です。さらにその後のスローインやフリーキックの再開までに、1分近くアウトオブプレーの時間がありました。

 なのでどう考えても、2分以上はアディショナルタイムが伸びたと思ったのですが、御厨主審は95分10秒でタイムアップの笛を吹きます。今季からJ1を担当する彼が川崎フロンターレの試合を裁いたのはおそらく初めてだったと記憶していますが、なんとも腑に落ちない幕切れとなりました。

ちなみに御厨主審といえば、ヴァンフォーレ甲府やザスパ草津(当時)、カターレ富山でプレーした元Jリーガー。自分は甲府時代に取材した経験があります。線は細いですが、俊足を生かした身体系のディフェンダーで、サイドバック、センターバックをこなせるタイプでした。個人的には(勝手に)親しみも感じている審判なので、次はうまく裁いて欲しいところです。

 さて。首位追撃のためには勝たなくてはいけないゲームでしたが、勝ちきれませんでした。悔やまれるのは、リードしていながらも守りきれなかった試合運びにあります。

 相手に押し込まれた時間帯に守備に軸足を置いて耐える対応をしたのは決して悪い判断ではないと思っています。なんだかんだ言っても、最終ラインの中央にジェジエウ、谷口彰悟がいて、その前の防波堤としてジョアン・シミッチがいる。最後の砦を守るのはソンリョンですから、引いて守る形を取れば、一定の堅さはあるチームです。むしろ問題点は、跳ね返した後にあると思っています。レビュー本文ではゲームコントロールも含めたそこのポイントを深掘りしてみました。

 振り返ってみると、この9月のアウェイゲームは、湘南ベルマーレ、名古屋グランパス、柏レイソルと全て先制しています。しかし全て後半に失点して勝ち切れていません。さかのぼると、8月のルヴァンカップのセレッソ大阪戦もしかりで、先制したゲームで勝ちを逃しています。共通点はアウェイゲームであること、そしてどれも連戦であることです。

 共通点があるということは、同じミスを繰り返しているとも指摘できます。やはり原因を直さないとそこを繰り返すだけです。レビューではそんな改善ポイントも書いてみました。

試合後は、翌日の横浜F・マリノスの結果次第では優勝が大きく遠のく可能性がありましたが、こちらもドロー。よって勝ち点差は5のままです。何も諦める必要は
ありません。

 ただ勝てなかった原因はしっかりと精査すべきだと思います。そんな振り返りと
ともに、嬉し過ぎた小林悠のゴール秘話についても書いてみました。

では、スタート!

■ジェジエウにボールを持たせ、谷口彰悟に蹴らせる。入念に準備してきたネルシーニョ監督の鬼木フロンターレ対策を読み解く。

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