
「フロンターレは勝負弱いと言われていて、そこに負けたくなかった」。副主将・谷口彰悟が見せた意地。そして主将・小林悠とともに勝敗を背負う「良質な関係」をあらためて考えてみる。(リーグ第26節・清水エスパルス戦:3-0)
IAIスタジアム日本平で清水エスパルス戦は3-0で勝利。
ACL浦和戦の激闘から中二日のアウェイゲーム。
簡単には気持ちが切り替えられない敗戦でしたが、それを乗り越えるための一戦として挑み、敵地で3-0での勝利をおさめました。
この試合で、先制ゴールと追加点の起点、そして3点目のアシストと3ゴール全てに絡んだのがセンターバックの谷口彰悟です。試合後、クールな谷口が、この試合にかけていた胸の内を明かします。
「フロンターレは勝負弱いと言われていて、そこに負けたくなかった。僕らはチャンピオンをとるためにこの1年やっていて、こんなことで崩れてたまるかという気持ちがあったし、それをピッチで表現した。結果、3-0という形で終われた。チームとしても自信がつく内容だったと思う」
谷口の隣で無失点勝利を支えた奈良竜樹も同じでした。内容と結果の両方に対して胸を張ります。
「内容もそうだけど、大きなものを失って迎えた試合で、3点を取って無失点で勝ち切った。メンタル的な部分もそうだし、サッカーの部分でも、チームとしての強さを示すことができたと思う」
そう語っている彼の右目のあたりはまだ青く晴れています。言うまでもなくACL浦和戦で負傷した箇所で、あの試合からまだ日が浅いことを物語っているとも言えます。本当に厳しい戦いでしたが、選手たちは見事な「リバウンドメンタリティー」を発揮して勝ちきりました。シーズンの今後を占う上で、本当に大きい勝利だったと思います。
そんな試合のレビューです。今回のラインナップはこちら。
1.「ちょっと落ちて、ショウゴ(谷口彰悟)と何回もパス交換して、右に行くフリをしていたら、アキくん(家長昭博)が落ちてきて数的優位になった」。球離れと機動力でチームに違うテンポをもたらした森谷賢太郎。彼が中盤で心がけていたボールの握り方とは?
2.「タッツンニー」と「シンツァンニー」の連携で攻略した左サイドの破壊力。「自分が中に入った時にシンタロウくんが絶対に上がってきてくれる。それがやりやすいという話は、今年からずっと話している」(長谷川竜也)。「右で作って、左で仕留める」をもたらした二つの要因を読み解く。
3.「結果を残してこそ良いプレーだと思う」と、無得点に悔しさを口にする長谷川竜也。彼が結果を出せそうな場面で見せていた、驚きの姿勢とは?
4.「自分が決めることでチームを引っ張れると思ってプレーした」、「フロンターレは勝負弱いと言われていて、そこに負けたくなかった」。戦う集団の骨格を担うキャプテン・小林悠と副キャプテン・谷口彰悟に見る良質な関係。そこをあらためて深く考えてみる。
5.「技術とかそういうことよりも、今日はメンタル。気持ちで戦うというところ」。中村憲剛のコメントで思い出した、2009年のACLベスト8で敗れた直後のゲームの出来事。神奈川ダービーで勝利した試合後に彼の紡いだ言葉のキオク。
以上5つのポイントで、冒頭部分も含めると全部で約7000文字です。
ピッチ上の分析では、スタメンに入った森谷賢太郎と長谷川竜也がこの試合でもたらしてくれた、中盤でのボールの握り方と左サイドの推進力に関してフォーカスしております。あとは今季のチームやメンタリティーについても、あらためて考察してみました。
なお、プレビューはこちらです。→試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第26節・清水エスパルス戦)
では、スタート!
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