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不易流行|パタゴニアの自然酒|2022.2.28

 農家が無農薬・低農薬有機農法で育て上げた生命力あふれる米を造り、酒屋(蔵元)が丹精こめて仕込み造り上げた添加物無しの日本酒を「自然酒」と呼ぶ。一般的には、地域の中で、自然酒の蔵元と地元無農薬農家とがっちり手を組んで製販一致した仕組みづくりが必要となる。スゥーと水のように体の中に入り、どこか昔なつかしい想いと命一杯の活力を感じるのが特徴。日本酒なら自然酒、ワインならビオワインをいただくようにしている。

 埼玉県の小川町に金子美登という有機農業家がいる。金子さんの農場には、世界中から国籍バラバラの多くの若者が金子さんのノウハウを学びたいと寝泊まりしている。世界には【ウーフ】という仕組みがあり、有機農場でパートタイム的に働く働くことをいい、働き手を【ウーファー】と呼ぶ。 世界中の有機農場において、お金のやりとりなしで、「食事・宿泊場所」と「力」を交換する仕組みのことであり、「知識・経験」も得ることができるのだ。金子さんと晴雲酒造さんが「おがわの自然酒」を創っていて、日本酒で迷ったらこの自然酒を買っていた。

 僕が審査委員を務めさせていただいた「サステナアワード」は、2月14日(月曜日)に農林水産大臣賞、環境大臣賞、消費者庁長官賞など各賞の受賞作品を発表・表彰した。SDGsゴール12「つくる責任 つかう責任」を踏まえ、食や農林水産業に関わる持続可能なサービス・商品を扱う地域・生産者・事業者の取組に関する全国から集まった動画作品たち。 本当に動画コミュニケーション時代の到来で、素晴らしい活動が動画になって表現されている。

 環境大臣賞を受賞したのがパタゴニア プロビジョンズの自然酒。寺田本家(蔵元)が地元農家と一緒に米を育て、発酵の音を確かめながら自然酒にしていく、それをパタゴニアが世界を持続可能にしたい生活者と一緒に世界中に価値を伝え関係を作っていく。なんと素晴らしい、コレクティブインパクトの極みだと思った。

 自然酒に目が無い僕はこの動画を見て我慢できなくなって早速呑んでみた。驚きのクオリティ、ぐうの音も出ない。日本酒は好みが分かれるのでそこはなんとも言えないが、僕はこの酒の存在をただただありがたいと思った。皆さんも呑んでみるといい。発酵の素晴らしさを、日本人の原点を教えてくれるような酒の誕生だ。

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