2018年8月の記事一覧
「一度だけ」を容れるもの。 (1/3)
7月の「愛とことば」というエントリで、ヘレン・ケラーの件をとりあげた。ヘレン・ケラーといえば小学校の図書室に必ず伝記が置かれている「偉人」である。私も例に漏れず、読んだ。読んで読んで読み、熟読した。
ゆえに、ヘレン・ケラーは私の小学校時代の友だちのような存在で、心の距離がとても近い。
しかしそれは子ども向けに書かれた伝記本であって、彼女自身の手になる『ヘレン・ケラー自伝』は、ずっと未読のままだった
愛の「想定外」。 (3/3)
前回に引き続き、以下は2012年の年末、雑誌figaroに掲載されたコラムを加筆・改稿したものである。
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愛の達人。一見、恋愛など無縁のように思えるキャラクターが、意外な程に恋愛心理に通じていてびっくりさせられることもある。
ムーミンだ。
ムーミン、もといムーミントロールは、姿のよく似たスノークのおじょうさんと、半ば恋仲である。
彼のスノークのおじょうさんへのアプローチは、実に紳士