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「輪島塗 端反りカップ 根来」(「独弧伽羅~皇后の願い」)

さて今日は、前回ご紹介したカップの色違いです。

こちらも、輪島の作家、辻雅史さんの作品で、根来仕上げとなっています。

根来(ねごろ)とは、中塗りの黒が、わざと見えるように、上に朱を塗り重ねたものを言います。

辻さんらしい、独特の艶があるカップです。

詳しくは、当店のホームページから、どうぞ。






さて、何か月か更新を怠けている間に、色々な作品を見ましたので、どんどん行きましょう。

今度は、「独弧伽羅~皇后の願い」という中国時代劇を見ました。

(結末に、ちょっと触れていますので、これから見る方は、読まないでくださいね。)

2018年の作品で、主演は、・・・知りません。

フー・ビンチンという、アリエル・リンに似た女優さんなんですけど、有名な人なんでしょうか?

彼女の姉を演じたアン・アンは、台湾の女優さんなので、何となくは知っていましたけど・・・。

なぜ、こんな程度の知識で見ようと思ったかと言いますと予告編が面白そうだったからです。

主人公、伽羅は、愛のない政略結婚をさせられるんですけど、数々の困難を夫と乗り越えていくうちに愛し合うようになります。

そして、ついには、夫を隋の最初の皇帝にまで押し上げる!という内容。

ちょっとベタですが、面白そうじゃないですか?

でも、実際に見てみますと、全くこんな話ではありませんでした。

舞台は、魏晋南北朝時代の北周。

北周は、宇文家の王朝で、独弧家は、その家臣なのですが、昔から「独弧が天下を統べる」という予言がありました。

この独弧家の三姉妹が主人公。

野心家の長女、般若は、自分が皇后になることで、何としてでも予言を実現しようとし、

腹黒い次女、曼陀は、姉を出し抜き、自分が権力を握ろうと計り、

でも、三女の伽羅だけは、裏表がなく、自分の気持ちに正直な娘でした。

この三姉妹の愛と葛藤が絡み合いながら、物語は、進んでいきます。

結局、般若は北周の皇后となり、曼陀は、自分の死後ですが、息子が唐の最初の皇帝となり、伽羅は隋の最初の皇后となります。

しかし、予言は確かに実現されたのですが、最後は、三人とも、寂しさの中で死んでいきます。

独弧の天下とは、すなわち孤独の天下だった。どうして人は、幸せになんてなれないと分かっていながら、権力に執着するのか。

が、テーマの作品でした。

最近の中国時代劇は、脚本が捻ってあって、考えさせるものが多いですね。

三国志が終わり、司馬一族の晋も倒れ、ぐだぐだになってしまった時代から、隋、唐へ。

というあまり知られていない時代が描かれていますので、歴史の勉強にもなります。

ただ、伽羅の次男は、中国史上最悪の皇帝と言われる煬帝なわけですが、まだ若い頃とは言え、ごくごく普通の息子として出てきます。

主人公の息子が、あっさりと王朝を潰した奴では格好がつかないので、触れないことにしたのでしょう。

ここだけ、気になりましたが、あとは、人間の内面がしっかりと描かれた見応えのある作品でした。

映像も、とても美しいです。

未見の方は、ぜひ、どうぞ。


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