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エッセイ 「ウィルス」

新型コロナウィルスがブイブイ言わしている。

連日メディアはその話題ばかり。
もううんざりだ。もっと考えて欲しい。
こういう時こそ思いやりの心が必要じゃなかったのか。
メディアは、世間は、それを忘れてはいないか。

全く騒がれなかった旧型コロナの気持ちを。

マスクもトイレットペーパーもアルコール消毒も
新型コロナのおかげで売り切れ続出。
新)「どやぁ俺様の威力。けーざいまわしとるわー」とでも言わんばかりだ。

一方旧型はどうだったろうか。
何か売り切れただろうか。
旧)「いや、その、えーっと、確か、たまごっちとか妖怪ウォッチとか…」

もうかわいそうである。

しかし、世の中とはそういうもの。
新しいモノはいつかは古いモノになり珍しくもなんともなくなるのだ。
そう、新型コロナもいつかは旧型になりなんともなくなるのだ。
そして新たに現れる最新型がまたブイブイ言わすのである。

そこでだ。
最新型が登場する時は何が売り切れるのだろうか。

「最新型はマスクでは防げません。アルコールも効きません。
しかし、唯一、”笑うこと”で防ぐことができます!」

学校では先生が授業を面白く工夫し、笑いながら学べる夢のような授業に。
人々は笑いを求めて劇場へ足を運び、落語家・芸人・劇団員は大忙し。
ライブ・コンサートでは、オーディエンスの満面の笑みが会場にあふれる。
試合会場ではブーイングは消え、前向きな声援が響く。
給食ではあまりの美味しさに牛乳を吹き出す珍事もあり、それを加味して通常の倍の量の牛乳を入荷。
満員電車では「笑ってはいけない満員電車」なる暗黙のゲームが開催され、毎回誰かの腹の鳴る音で爆笑。
クールジャパンからアメージングジャパンに切り替えたことが功を奏し、インバウンド大成功。
首相の都合の良い解釈やデタラメな発言や失言にも議員全員大爆笑…

いやその頃の首相はまともかもしれない。

とにかく、人類はウィルスによって滅亡するかもしれないが、
笑うことによって助かるかもしれないのだ。

そうなれば私も社会の役に立てるのかもしれない。

100円くらい意志雄にあげてもいい、それすなわち、隠れイシシタン!