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あこがれのハンドファースト徹底攻略!アーリーリリースを招く3つの要因

こんにちは!異世界体育です。

今回のテーマは「ハンドファーストのインパクトを妨げる動作」についてです。物理エンジンを使って検証したいと思います。

ゴルフにおいて、ハンドファーストのインパクトは、上級者への道のりにおいて必須とされています。ハンドファーストのインパクトは以下のようなメリットがあります。

・ダフりやトップのようなミスヒットを減らせる。
・ライが悪くてもボールを綺麗に打てる。
・ダウンブローによりバックスピンが多くなりグリーンに止められる。
・ロフト角が立つので飛距離が出る。
・かっこいい!(重要)

しかし、アマチュアゴルファーにとって難しい技術であり、ハンドファーストのインパクトができる人は中級車~上級者として扱われます。今回は、アマチュアゴルファーにとってハンドファーストを難しくしている要因を物理エンジンを使って見つけたいと思います。

物理エンジン上でのゴルフスイングの再現

まず実験のために、まともなゴルフスイングを物理エンジン上で再現します。以下のマッチョなナイスガイを使用しました。

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再現するまでに多くの苦悩があり、かなりヘンテコなスイングもいっぱいできあがりました。気になる方はyoutubeの動画をご覧ください。

おおよそひと月に及ぶ試行錯誤によりできたスイングがこちらになります。

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インパクトでもしっかりとハンドファーストをキープできています。
本当は足を使うことで身体を回転させたかったのですが、難しかったので妥協し、胸椎を回すことでスイングを作りました。意外かもしれませんが、この胸椎の回転する力腕を身体に引き付ける力以外の力は使っていません。

次は、このスイングの何を変化させたらハンドファーストができなくなるのか、つまりアーリーリリースを招くのかを実験していきます。

手首のキャスティング

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手首のキャスティングは、釣り竿を振るときと同じ動作です。能動的に手首をほどく動作のことを言います。この動作がアーリーリリースを招くことは、直感的にも分かると思います。問題は、どれくらいの力でキャスティングするとアーリーリリースにつながるのかです。実験してみたところ、身体を回転する1/50程度のごくわずかな力でもこの現象は発生しました。1/50のということは1kg以下の力です。したがって、手首は常に脱力するか、身体に引き付けなければハンドファーストにはならないと分かります。

身体の回転不足

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2つ目の要因は、身体の回転不足です。正確に言うと、身体の回転が加速せず、等速もしくは減速する際にアーリーリリースは発生します。

キャスティング動作と異なり、直感的に把握しづらいため、クラブに対して作用する力を整理します。

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まずは、緑字の遠心力です。遠心力は、以下の数式で表すことができます。

遠心力:mrω^2[N]
重さ:m[kg]
スイングアークr[m]
角速度ω[rad/s]

遠心力は、クラブを身体から遠ざける力として働きます。ωが早くなればなるほど大きくなる力ですので、ダウンスイングの初期では非常に弱い力ですが、インパクト直前では大きな力となります。
この遠心力はスイングという動作をすることによって強くなる力なので、運動依存力なんていう呼ばれ方もされます。

次は、赤字の慣性力です。慣性力は以下の数式で表すことができます。

慣性力:mrω'[N]

ω'はωを微分したものです。つまり角加速度を表します。慣性力は遠心力とは90度ずれた方向に働きます。過度な手首のタメを作らない限りは、クラブを身体に引き付ける力として働きます。

通常、クラブに働く力は、遠心力(アーリーリリース)と慣性力(ハンドファースト)です。しかし、数式からわかるとおり、ω'が0または負の値となると、慣性力はクラブを引き付ける力としての役割が無くなります。そのため、遠心力優位となり、アーリーリリースを招いてしまいます。

また、よくアーリーリリースを重力のせいにしている方がおられますが、それは間違いです。重力加速度を0にした環境下で同じ実験をしてもアーリーリリースとなってしまいました。重力による影響は、上記二つの力と比べて非常に小さいことが分かります。

バンプ

最後は、バンプ動作になります。バンプ動作は、腰をターゲット方向に水平にずらす動きです。こちらも力を整理してみます。

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オレンジ色がバンプによって受ける力です。第二の慣性力が働くことが分かります。この慣性力2は以下の数式で表すことができます。

慣性力2:ma[N]
加速度:a[m/s^2]

慣性力2は、遠心力と同じくクラブを身体から遠ざける働きをします。そのため、アーリーリリースにつながってしまいます。

まとめ

キャスティングは身体を回す1/50というわずかな力でもアーリーリリースを発生させてしまいます。
⇒グリップエンド方向に引っ張るようにスイングするのが正しい動きとなります。また、ヘッドにトレーニング用の重りを装着すると慣性力が感じやすいく、キャスティング防止に効果的です。

身体を回す動作では加速し続けないと、アーリーリリースを発生させてしまいます。
⇒ボールを見ずに、ターゲット方向に振り抜くような練習が効果的です。

腰をターゲット方向に水平移動するバンプ動作はアーリーリリースを発生させてしまいます。
⇒少しの移動なら大丈夫です。移動が大きい場合、左側にキャディバッグなど障害物を置いて、当たらないように練習すると効果的です。

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