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<伊勢二見滞在記>新宅 加奈子(Shintaku Kanako)

はじめまして。美術家の新宅加奈子です。

「生きている事を確認する行為」として全身に絵の具を纏う表現を行っています。その行為をパフォーマンスとして公開や、セルフポートレートを行い、平面作品として展示をしています。普段は京都を拠点に制作活動をしており、京都や東京、海外での展示を行い、2019年からは舞台演出にも携わっています。

この度、伊勢市クリエイターズワーケーションでは、二見エリアに8泊9日滞在しました。

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なぜこのエリアを選択したかというと、自身の作品を自然豊かな場所で今一度把握し直したいという思いと、海の近くで制作したかったからです。

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今回の滞在では、ドローイング16点、立体作品13点を制作し、そのほか随時写真撮影などを行いました。日頃、絵はあまり描かないのですが、三菱鉛筆さんからペン「EMOTT」をご提供いただいたので、久しぶりにドローイングをしてみました。

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滞在先のホテルと、制作場所も海沿いだったので、毎日二見の海を見ていました。

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18歳までは大分県に住んでおり、海が近かったため、久しぶりの海で懐かしい気分でした。

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私が滞在した次の日に、二見では「大注連縄張神事」が午前10時から行われており、夫婦岩の縄の張り替えをみる事ができました。

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現在制作するにあたり、石や岩、地層について興味があったので、こうして神事を見ることができ、非常に勉強になりました。

基本はこうして写真に撮ったものや、道で拾った貝殻、石などを制作場所に持ち帰り、ドローイングや立体作品の制作を行っていました。

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伊勢神宮にも訪れました。

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そして、滞在制作が終わった2日後にFabCafe Kyotoにて2020/12/22---2021/1/9まで個展「Then-Shintaku kanako solo exhibition」を開催しました。(本企画は、「SHIMOGYO+GOODまちなかアートギャラリー」の一環として開催されました。)

そこでは、自身のパフォーマンス作品のほか、伊勢市で制作したドローイングや立体作品を展示しました。

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このご時世ですが、たくさんの方々が見に来てくださり、伊勢市の作品のコメントも多くいただきました。伊勢の澄んだ空気感が伝わってくる/ドローイングの線と対象物の関係に心地よさを感じる/夫婦岩と立体作品の関係性が良いなど!

今回、初めてドローイング作品展示したのですが、現地に赴き、その空気に触れ、そしてそこで制作を行うことの大切さと可能性を実感しました。また、慣れ親しんだ拠点から離れて制作をすることで、普段気に留めなかった路地や、空の色、食、地形などに目を向けることができ、情報量の多い滞在となったように思います。

新型コロナウィルスにより、なかなか肌感で対象を感じることが難しいなか、実物を観察することの意味を改めて考察した滞在でした。


新宅 加奈子(Shintaku Kanako) 美術家
https://www.shintakukanako.com/

【滞在期間】2020年12月12日〜12月20日

※この記事は、「伊勢市クリエイターズ・ワーケーション」にご参加いただいたクリエイターご自身による伊勢滞在記です。
伊勢での滞在を終え、滞在記をお寄せいただき次第、順次https://note.com/ise_cw2020に記事として掲載していきます。(事務局)