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YASU憧れの、種市暁さんに「ISWIM」を着ていただきました。(後半)

【Interview】
種市暁_フリープランナー / サーファー / モデル × YASU_I SWIM  AND TRAVEL AROUND  THE WORLDディレクター

→前半の記事より

種市暁:嬉しいですね。YASUくんの話を聞いていると、本当に嘘がないというか、パッションとやりたいことがはっきりしているのでいいですよね。僕もファッション業界にいて、当時のセレクトショップは、世界中から面白いものを仕入れてきてそれをミックスして提案すると言う形だったんですが、その後いろいろなセレクトショップができ始めて。そこから差別化を図る為にオリジナル商材の拡充や新たなレーベルを作ろうとなったときに、それまで仕入れた側にあった立場からデザイナーの方にいく人もいたし、逆にディレクションの方にいく人もいたし。その中で僕も凄く服が好きだったんですけど、服屋っぽくなりたくなかったんです。だから「BEAMS」の中で、僕はリラックスした、ユルいんだけど個性のある格好をしたんだと思います。昔、セレクトショップでは、店に立つとき短パンやサンダル、帽子を店の中で被るのもダメだったので、その中で僕が短パンにビーサンを履いていたら「なんなんだ、その格好!」ってなっていましたから。だけど10年くらい前からセレクトショップも変わっていって、自分のようなスタイルも受け入れられるようになって。あと昔の服屋っていうのは、女の子に結構モテてたんです(笑)。だけどそれがいつの間にかどんどんマスになって行く面とマニアックになって行く面の両極端になっていって……お洒落がモテるということから回避してしまっているような感じのときがあって。

YASU:このスペックとか、このアーカイブを使ってとかですよね。

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種市暁:そこで僕はあえて「uniqulo」のデニムに「Borsalino」のハットを被るとか、そういうミックスが面白いなと思っていて、それがだんだんと支持を受けるようになっていったんですよ。僕は若い頃にモデルの仕事をしていたときがあって、ただその後に「BEAMS」に入ってからは、お金もないのに顔が売れるのは嫌だと思っていたので、モデルの誘いがあっても断っていたんです。なの『OCEANS』の編集部から「雑誌に出ないか」と誘いを受けたときも、「出てもいいことなんかない!」と思っていたんです。だけどそのとき僕は「BEAMS」で、吉田カバンさんと企画を行なっている小さなセクションにいて、小さなセクションって広告を出してもらえないんですよね。であれば、自分が雑誌に出て商品を紹介すればいいのかなと。それで自分が出てみたら、ありがたいことに編集部に問い合わせがきて、商品も売れるようになって。そこから雑誌って美味しいなと思うようになり、そこからモデルとして復活して雑誌に出るようになったんですけど、そこからもう一度ファッションを考えるようになったんですよ。
 それと僕は大学を卒業したときに、モデルと俳優の道に誘ってくれた友達の話を蹴って「BEAMS」に入ったんですけど、その友達に「紹介したい人がいる」と言われて紹介されたのが俳優の大森南朋くんだったんです。彼は素晴らしい俳優ですけど、自分は当時「テレビってダサいじゃん! 俺の方が尖ってるぜ!」みたいな感じだったんですよ。服屋はテレビのファッションに興味ないみたいな(笑)。「BEAMS」は、その感じを自分も受け継いでいたので、俳優さんは別に興味はないと思っていたんですけど、南朋くんは、南朋くんでストイックな俳優さんでもあるので「セレクトショップのスカした感じがなんか、ダセえよ!」と思っていたらしいんです(笑)。

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 なんですが友達が紹介してくれたところで、いきなり意気投合してしまって、俳優さんだけどいい感じの人だなって。で、南朋くんが自分の事をサラっとユルイんだけどなんだか品があって、大人っぽい、タネちゃんみたいな感じで俺をスタイリングしてよって言ってくれた事があり、僕も自然体なんだけどスイッチが入った時の圧倒的な個性とオーラを醸し出す南朋くんのスタイリングをやってみたいスタイリングをやってみたい!と即答し、異例だったんですけど社長にかけあったら、OKが出たんですね。それで実際にスタイリングをしてみて思ったのが、俳優さんも独特のセンスで服を選んでくるんだなということで。僕自身も安いものに高いものを合わせたり、ジャージにジャケットを合わせたりだとか、服のボーダーを持たない方だったんですけど、僕よりもさらにブランドの垣根も何もない。だからセレクトショップとしてのフィルターが見えなくなるときがあって、これまで自分が避けてきたブランドも着せてみるようになったり。

「俳優の大森南朋くんから、『何を着るかじゃなくて、誰が着るか』ということを学びました」(種市暁)

 それと僕が着ていたような感じを着せてみたときに、まったく違う見え方がするんです。さすが役者だなと思ったんですけど、自分の空気感で着こなしていく南朋くんを見て、服って「何を着るかじゃなくて、誰が着るか」が重要だということに気付いたんです。着る人が、着こなせるって凄いことなんだな、と思いながら、一方で南朋くんが「種ちゃんが着せこんでくれることで、いい感じの見せ方ができる」と話をしてくれたときに、さっきYASUくんが言っていた、そのマイノリティっていうカテゴリーが見えるようになってきてから、さらに服が面白くなってきたというか。
 服ってこだわりがあるようで、いかにこだわってないかのように見せれるかが大事だったりするじゃないですか。そういう意味でYASUくんの服は、凄くシンプルで、奇をてらっていない。だけど本人のパーソナリティがしっかり出ていて、僕が見たときにクリエイションしたYASUくんが1番似合っていて格好いい。一般的にいうモデルが着て似合うとかじゃなくて、自分の肌に合っているという。その服を他の人が着たときに、どんな化学反応を起こすのか、それが服の楽しさなのかなと思ったりするし、久しぶりに今日はパッションを感じて「いいな!」と思いました。

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「ストーリーを大事にして、ファッションを楽しんでもらいたい」(YASU)

YASU:自分がこれまでに買ってきた服はどういう感じで誰が作っているのかとか、どういうストーリーがあるのかとか、僕はそれを凄く大切にしているんです。あと種市さんがおっしゃっていたギャップ。デニムのスーツのセットアップを11万で売っているんですけど、自分がオリンピックに出ていたことを凝縮して出したというのと、一方でストリートブランドやスケートボードカルチャーも好きなので、「GILDAN」のありもののパーカーに撥水加工をかけるとか、そういったギャップは常に出していきたいなと。自分が通ってきたファッション好きの人生を、この「ISWIM」で出していけたらと思っているんです。それとおこがましいかもしれないですけど、ファッションの楽しさを伝えたい。例えば僕や種市さんとかは、何も躊躇なく店に足を運ぶことができる人だと思うんですけど、一方でハードルが高いという人たちもいると思うんです。だけどライフスタイルに「泳ぐ」がある人たちが世界中にいるので、その人たちを取り込んで、みんなにファッションを楽しんでもらいたいと思いローンチしました。人生は一度しかないですから!

種市暁:自分が好きで通ってきたものや、自分のアイデンティティとなっている泳ぐこと、海外の生活から得た必要なことなど、いろいろなことがリンクしていて嘘のなさというか。自分のストロングポイントやアイデンティティが何なのかを分かっていますよね。それにこれを見て「面白そうじゃん!」って。YASUくんの人懐っこさや、若くてガッと勢いがある中で、戦略的な部分もしっかりあるので、ここからどうなっていくかが楽しみです。きっとこういうのが、今っぽいんだなと思うんですよ。今ある流れの中で、機能性とかサステナブルとかあるじゃないですか。それとリンクしているし、いい意味で今やるべきブランドとは、こういうことなんだなとか。

YASU:あと僕は服が好きでいろいろな服を買って着てきた中で、春夏秋冬というサイクルが少し疑問に思っていまして。それがどういうことかというと、僕は今シドニーをベースにしているんですけと、日本が冬のときは、向こうでは夏なんですね。例えば、僕や種市さんのように旅することがライフスタイルにあると、夏の雪山に登ったり、日本では冬の時期にビーチショーツとタンクトップが欲しくなるようなところに行く生活をしていると思うんですが、僕たちが「ISIWM」で挑戦したいと思っていることが、春夏秋冬でやるのではなく、シーズンを設けて展開することなんです。例えば2020年「001」は、何年経っても「001」でやるみたいな感じで。僕はなるべく自分で足を運んで工場を見たり、パターンを一緒に引いたり、考えたりしているので、プロパーであり続けていきたいというのがあるんです。あとは日本でニット帽子とかが余ってしまったら、南半球はこれから寒くなるので、そこにフォーカスしたデジタルの広告とか打つとか。ある意味サステナブルかなと思うんですけど、そういうことにも挑戦していきたいなと思っています。

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「YASUくんの通ってきた道が、血となり、肉となりというか。『ISWIM』の5~10年後が楽しみですね」(種市暁)

種市暁:自分は様々なブランドのディレクションのお手伝いをしていて、お仕事としてそこのニーズにあった提案をしていますが、唯一自分主導でやっているのが、ビーチサンダルのプロジェクトなんですね。で、ありがたい事に今、全国のセレクトショップさんや人気ブランドさんからのオファーで様々な別注を行なっているんですけど、基本的には自分も同じで、コレクションのものを作るというよりは、プロダクトに近いものを作って、それを定番でやっていきたいなと思っているんです。自分は雪山に行く前はサーフィンばかりやっていたので、1年中エンドレスサマーを追い求めて、冬になるとハワイとかオーストラリアとかに行っていたんです。ビーサンを作った理由も、日本が冬のときに、夏のオーストラリアで売ればいいやと思ったんですよ。YASUくんとまさに同じことを考えていました(笑)。

YASU:ヨーロッパで8月から9月に季節が変わるときに、南フランスやローマとかはまだ夏なんですけど、飛行機で北に2時間飛んでウィーンやアムステルダムに行くと、少し寒くなっていたりするんです。ローマにいるとライダースいらないのに、飛行機から降りると寒いというか。そこは自分がこの10年間、日の丸をつけて最高峰でやってきたトラベルライフから、「こういうのがあったらいいのに」と感じたことをプロダクトに落とし込んでいきたいと思っているので、旅好きの種市さんにも是非応援して頂ければと思います。いつかオーストラリアにいらしたときは、是非一緒に海に入りましょう!

種市暁:5年~10年経って、ブランドがどうなっているのかが楽しみですね。今やっていることがどう進化していくのか。軸に太いものがあるのと、YASUくんはなかなか他の人が味わえない実体験をしているから。日の丸を背負って、世界中を水泳で回って、その人脈と類まれな体力とパッションと服を作ってと。全部が血となり、肉となりというか、それがこう芽吹いたところなので、めちゃくちゃ楽しそうですよ。これからも楽しみにしています。

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〔Profile〕
種市暁_Akira Taneichi
1972年生まれ。東京下町出身。大学時代に兄の影響を受けサーフィンを始め、大学生時代は法律を専攻しつつも大好きな洋服屋巡りやハウスやレゲエクラブに通ってカルチャーを学ぶ。大学卒業後「BEAMS」に就職。退社後は、フリープランナーとしてファッションブランドのコンサルティングや、プロダクトのディレクションを手掛ける傍ら、雑誌『OCEANS』を中心にモデルとしても活躍。サーフィンのある生活を軸に、トレッキングやキャンプ、冬の時期はスノーボードと、アクティブにアウトドアを楽しむ自由人。
Instagram→ @taneichiakira


Photo:Kazuki Miyamae
Text:Kana Yoshioka

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世界で活躍するオリンピックスイマーYASUが手がける、「泳ぐ人」たちへ向けたライフスタイルブランド「I SWIM AND TRAVEL AROUND THE WORLD」。その全貌を紹介する、WEBマガジンです。https://isatatw.com