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48 眠るように

昔、「愛する人と心中することが人生の幸せなのかもしれない」と思ったことがあった。

かなり前のことなのに、なんで急にそんなことを思い出したのか。憂鬱かな。月曜日だからかな。あ、今日は金曜日だ。憂鬱に曜日は関係ないね。

朝、目覚ましに起こされて体を半分起こす。目をつむったまま、起きようとしているのか眠ろうとしているのか。今朝はいつもより早い時間に起きたせいかすこぶる眠い。睡眠は欲望なのだから、この激しい眠気から目を覚ますというのは、欲望の抑制。薬物依存の克服もこんな感じなのだろうか。

とにかく剥がし難い眠気からバリっと離脱して、いつものようにシャワーを浴びる。熱いシャワーの籠の中で、ああ、死んでしまいたい、久しぶりにそんなことを少し思う。こうして言葉にしてしまうと強烈だけど、気持ちとしては薄っぺらいもので、眠たいと言うのとほぼ同義。

眠るのが幸せという人がいる。ずっと寝てたいという人がいる。僕もそれには賛成なのだけど、ずっと眠ると書いて永眠。ずっと眠ることと死ぬことの違いはなんだろうか。

一人で死んでしまうのはいささか寂しい。二人でなら。体を寄せ合って、優しい顔をして、お互いの体温を感じながらするりと死んでいく。美しい光景に思える。とても気持ちが良い。

こんなことを言ったらビックリするのかな。でも、そういう気持ちのふくらみ方ってあるよね。

2020/02/07

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