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42 半分他人

お正月に実家に帰って面白いものを見つけた。

中学3年の京都大阪修学旅行の思い出を学年全体で文集にしたものです。現物はもちろん手書き。僕の字はとてつもなく下手くそで、漢字も間違えています。字の下手さは再現出来ませんがご想像にお任せして、表記は忠実に再現しました。それではどうぞ。

 前日。かばんの中を確言して(※確認と書こうとしたんでしょうが言偏しか書いてません)、ドキドキしながらふとんに入って1時間して、やっとねむりについた。
 1日目。下永谷駅から新横浜について集合場所に行ったらみんなきていた、個性あふれる服装とケータイを持っていた、だけど自分は持っていなかった。時代おくれを感じた。そしていろいろあって大阪城についた、大阪城は予想以上に大きかった。しかもきれいだったし『しゃちほこ』が輝いていた。
 そしていろいろあってなんばグランド花月についてひたすら爆笑してから、お好み焼きを食べた。うまかった。二日目。グループ行動で東本願寺にいった本当は30分いるはずだったが30分もいれるわけがなく西本願寺に移った。そしていろいろあって3日目。金剛力士像をにらんだ……。負けた。そしていろいろあって近鉄に乗って新幹線の所まで行って『ビュ〜〜』と上永谷で下りてより道して家に帰った……おわり

この歳ですでに「時代おくれ」を感じてるあたりとか、「いろいろあって」で飛ばしがちな所とか、金剛力士像と謎の勝負をしてるあたりとか、ツッコミどころ満載。

お正月のお昼間。あったかい陽がさしこむ懐かしい自分の部屋でクスクス笑いながら読んでいました。

昔の自分というのはもう半分他人で、何を考えていたのかとか、どういう感覚だったのかがわからない。自分なのに自分じゃないような存在。思い出すにしても、きっと「今の自分」という補正が少なからずかかるんじゃないだろうか。

ただ、文章を読んでいて思い出したのは、あの頃の自分はとても楽観的だったということ。これだけは間違いないんじゃないかなあと思う。風の吹くまま、気の向くまま、恐れているものは何もないという感じ(お化けは怖かった)。

文字を追いながら昔の自分の像が浮かんできました。文章が残っているというのは、おもしろくていいものですね。

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