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コーチングがもたらしてくれた変化の話

「いい答えを持つより、いい問いを持つ方が大事だ」

同業の先輩に、こんな言葉をかけてもらったことがあります。コーチングの世界に触れて、やっと少しずつその意味がわかってきたような気がしました。

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普段の自分を取り巻く環境。たくさんの人がいます。言葉があります。その根源には思いがあります。私は、それらの交差の連続が、今見えている世界観をかたどっているのだと思っています。

それは本来はとても豊かなものなのに、それでも時々摩擦のようなものを残すことがあります。それが心に植え付けられ、呪いとして根を張っていく。きっと誰にでも経験があるのではないでしょうか。

THE COACHの基礎コースを終えて、一番に感じたのがこの呪いの威力でした。恐ろしいことに、それまでは全くと言っていいほど自覚がなかったんです。身近にある当たり前を疑う感覚。固定概念が生まれる場面やその要因。自分のことだけではありません。身近な人が、目の前でそれらにただ翻弄されていく様子を、私は今までどれほど見過ごしてきただろうのかと、酷く落胆しました。

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「コーチング」というのは、対話を通じて自分のありのままの感情や気持ちに気づきを得るコミュニケーション手法の1つです。調べてみると、発祥はアメリカで、日本に普及したのは1990年代後半。まだまだ発展途上の印象があります。

それでも私の周りにおいて、「コーチングに出会って人生が変わった」という声を聞くのは、もうそこまで珍しいことではありません。やはり最初は胡散臭く感じてしまいますが、実際、コーチングを学べば学ぶほど、この言葉は自分の中で確かな実感へと変わっていきました。

自分が変われば、相手が変わる、環境が変わる、世界が変わる

私の好きな言葉の一つです。

人生が変わったという言葉だけを聞くと、ライフステージ的な変化を想像しがちですが、それがあってもなくても、自分が「変わったな」と感じることはあるのだと思います。もっと噛み砕くと、見えている世界観の視点の変化だったり、人や言葉に対する解釈の変化のようなもの。どんな現象に対しても、その根源には自分自身の変化があるということを、この言葉、そしてコーチングはわかりやすく伝えてくれているのではないでしょうか。

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わたしはセッションの時間がとても好きです。コーチとしてもクライアントとしても、いろいろな感情に出会うことができる不思議な時間。何が正しいとか、何が間違っているとか、その判断軸を捨てて浮かんできたものを言葉にできる場所。何かを望むだけでなく、反対に拒んだりする心情も、生身の人間らしくてとても興味深いものです。

でもその反面、自分の無力さに落胆したり、憤りようなものを感じる時もあります。

拙いながらコーチとしてセッションを続けていると、さまざまな課題(テーマ)に出会います。不思議なことに、そのどれに対しても、対話を続けていくとだんだんと既視感を覚えるのです。「状況や深さは違えど、この課題は他人事じゃない」そんな感覚に、毎回といっていいほど苛まれます。

身に覚えのある感覚を、自分以外の人も感じている。もしそれが珍しいことでないのなら、この源になっているのは何だろう。もしかしたら、社会全体にわたる見えないきしみのようなものじゃないだろうか。それはどうすれば解決できるのだろう。そもそも解決できるものなのだろうか…。つい考えてしまいます。

「いい答えを持つより、いい問いを持つ方が大事だ」

ハイテクなものが次々に開発され、表面上の生活は便利になっていく現代。答えは正しいもの。答えは重宝されるもの。ここに辿り着くまでに、いろんな人が、いろんな場面で答えを出し続けてきたのだと思います。それに対する恩恵は尽きなくて、私はただただ感謝するばかりです。

でも反対に、それだけでは私たちは本当の意味で豊かにならないのではないかとも感じます。それは私たちが人や言葉の交差点の中で、つい自分の声に対して聞こえないふりをしがちだから。この便利な生活の水面下で、犠牲になってきた言葉や思いもきっとあるのだろうと思えてなりません。

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受講コースを終えたとき一番に思ったのは、「コーチングがもっと普及したら社会は変わるんじゃないだろうか」ということでした。必ずしもセッションを伴うものじゃなくていい、一人一人がお互いの声を尊重して、自分の声に耳を傾ける。目の前で起こっていることにただ呑まれずに、問いを通して世界を見る。そんな感覚が広がれば、視点や解釈が豊かになり、呪いやきしみも減らしていけるのではないかと感じています。

私もまだまだこれからです。もしかしたら本当は「コーチングに足を踏み入れて得た心地よさをもっとたくさんの人と共有したい」という感覚、ただそれだけなのかもしれません。でもどうすればたくさんの人の生活が潤うのだろうと妄想したり、そのために自分はどうしたいのかと自問したり、そんな時間が増えたことは、自分にとっても歓迎したい変化です。

これからどんな問いに出会えるのか。それを経て自分がどう変わっていくか、環境や社会はどうなるか。コーチングがくれた財産を手に、思い描く未来をゆっくりと実現していきたいと思います。

この企画について

ノムラさんが立ち上げてくださった「コーチングについて語るアドベントカレンダー」。ちょうどTHE COACHの応用Aを受講していた最中だったので、この感覚を忘れてはならん!と衝動的に参加しました。

コーチングのことを書くのは今回が初めてでしたが、こうして言葉にすることで新しく湧き出るものもあり、自分にとってもとても良い機会となりました。素敵な企画を立ち上げてくださってありがとうございます!

そんなわけで明日以降もまだまだ続くので、みなさんのコーチングに対する思いが聞けること、私もとても楽しみにしています。

また来週にはTHE COACH応用Bコースがスタートします。シャドウの締めくくりが25日ということである意味忘れられないクリスマスになりそうですが、ご一緒するみなさま、どうぞよろしくお願いします!

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