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蘇る世界 ロンドン封鎖日記⑦

世界が再生してゆく。

ロックダウン7週目にしてついに、「今週末に封鎖緩和についての発表」が発表されましたよ。いやその事前発表いる?南欧の国々から1週間遅れで封鎖に入ったイギリスですが、きっちり1週間遅れで動きがありましたね。しかし、下降中とはいえイギリスではまだ毎日盛大に人が亡くなっているので、劇的な緩和はないだろうなあという予測。

イギリスはセミロックダウンという方策を取った以上、この死者数を許容するという決断なんでしょう。依然安心できる状況ではないですが、それでもようやくトンネルの出口の光が一瞬見えたような、心理的効果はあります。封鎖日記も気付けばパート⑦、完結までもうすぐなのか、それともまだドラマが待っているのでしょうか。

日本との温度差

日本の累計死者数500人強、イギリスでは今も「毎日」500人以上亡くなっています。累計3万人超えてもまだこの勢い。ていうかどんだけ死ぬんだ欧米人。周囲に被害者がいないのでニュースとか見ててもにわかに信じ難い。ニューヨークでもそうでしたが、実はロンドンでもマイノリティ系人種の死者がかなり多いようです。イギリスでは医療が無料なので、アメリカと単純比較はできませんが、この死者数の多さは本当に謎です。

中国も大量の死者を出しているので、アジア系人種がとりわけコロナに強い訳でもない筈なんですが、二桁差とか、もはや感染対策や文化行動だけでは説明がつきません。むしろアジア各国の耐性の秘密をつきとめる方がワクチンを待つより早いんじゃないのか。このままじゃ「実は日本はワクチンを隠し持ってる」系陰謀論とか出てきそう。

日本の家族や友人と話してると、コロナについての温度差が凄くて戸惑いますが、まあこの状況差では当然です。加えて日本の非常事態の自粛要請と対応策はなんともフワッとモヤッとしてるので、日本で反自粛派が多いのも理解できます。

イギリスではロックダウンに不満を漏らしこそすれ、アメリカのようにロックダウン自体に激しく反対抗議するような人は見かけません。アメリカはアメリカでどうかしてるが。

「こんなに死者が出ているのに本当にロックダウンの効果はあったのか」みたいな声も聞こえてきますが、そもそも「既に感染が大拡散した後だった」ためロックダウンした訳です。7週間も物理的接触を断てば感染の物理的チャンスは激減しますし、データの曲線もそれを裏付けています。中国でも封鎖解除まで8週間以上かかりました。イギリスは医療崩壊を回避できているにも関わらずのこの被害な訳で、もしロックダウンしていなかったら、いわゆる「指数関数的」曲線が垂直ロケットになっていただろうという事で、想像するだけでゾッとします。

ニューノーマル予測

外出や一部移動が許可された南欧では、2ヶ月近く会えていなかった家族の再会が始まりました。しかしハグは無し。マスクして2m離れての涙の再会。そんなでも会えないよりはマシ。

緩和が進めば、一定の基準を満たすビジネスから再開し始めます。マスクや社会的距離を維持しつつ、建設系の仕事では現場復帰も始まっています。次は小売店やヘアサロン、美術館など。

そしてオフィスへ人が戻ります。現在すっかり空洞化しているシティのオフィスビルでは、ソーシャルディスタンス対応の内部改装工事が始まっているようです。オフィスビルにも入館数制限がかかるという話で、在宅できる人は少なくとも9〜10月までリモートワークという雰囲気。

カフェやパブやレストランは年内再開できるのかどうか。スペインでは「テラス席に限り、距離を取って」の再開が予定されてるみたいです。まあ夏場はそれでも大丈夫なのか。きっとその頃には#supportlocalbusinessみたいな感じで、敢えて外食するような事が増えそうですが、需要量をカバーできる程のキャパシティは無いでしょうね。

映画館やコンサートなどは、やはり年内は難しいかもしれません。航空会社がコロナ前の水準に戻るのは2023年以降になるという予測が出ています。国境の解放も目処が立っていません。それに伴い、観光業の回復もかなり遅れそう。封鎖継続を決めたフランスでは「今年はバカンス無しでヨロシク」というオフィシャル通達が出ました。

ロックダウン解除後の第2フェーズも、それはそれでまた色々難儀な生活が続きそうです。そして次の敵は「エコノミー」です。

蘇る世界

BBCでは、顔馴染みのニュースキャスター達が一言ずつ「私たちはいつか感染者ゼロを伝えます。仮設病院の閉鎖を伝えます。失われた命を思い返し、家族や友人や同僚との再会を伝えます。子供達は学校へ行き、カフェやレストランの再開を伝えます。スポーツ情報だって戻ってきます…いいか悪いかはおいといて。その日まで、私たちは毎日必要な情報を伝え続けます。」と順番にコメントしていくCMが流れてて、割とぐっときたり。全国各地のロックダウン中の家族ビデオやClapForYourCaresの映像繋げたり、さすがこういうの作らせると上手いです。

確かにこの狂った状況には必ず終わりが来ます。いつの日かついにワクチンが完成、新型コロナ克服の日が来ます。その時には一体何が起こるんでしょうね。まるで新年の挨拶みたいに、家族や友人ひとりひとりに会って、思いっきりハグして回ったりするのかな。インスタで#reunionhugみたいなのが流行ったりとか。

この1〜2年を耐え抜けば、新世界の上昇気流が必ず起きます。2023年辺りかな。それをキャッチして飛び立つ準備だけはしておきたいものです。


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いつの世も、アーティストという職業はファンやパトロンのサポートがなければ食っていけない茨道〜✨