異例!中医協がYouTubeライブで生配信。そこから感じた未来の姿とは?
おはようございます。
医療介護データ研究所を運営している まじめな所長 です。
毎朝30分で、その時に思ったことをコラムとして書いています。
昨日は、コロナウイルスの影響を受け、中医協がオンラインで開催されました。また、ただオンラインで開催されるだけではなくYouTubeライブで生配信されました。
今日は、その配信を見ていて感じた医療介護業界の未来について書こうと思います。
中医協とは
まず、そもそも中医協とは何かを簡単に紹介しますね。Wikipediaにはこのように書かれています。
中央社会保険医療協議会(ちゅうおうしゃかいほけんいりょうきょうぎかい、Central Social Insurance Medical Council)とは、日本の健康保険制度や診療報酬の改定などについて審議する厚生労働相の諮問機関。
つまり、日本の医療のルールを検討する為の会議ですね。
昨日は、「コロナウイルスに対応するための在宅医療の臨時的な対応について」等のテーマで議論をしていました。(中医協の資料はこちら)
中医協の面白いところは、3つの異なる立場の人が話し合うというところです。
医療側・・・医師、薬剤師を代表する委員(医師会・薬剤師会の偉い人達)
公益側・・・公益を代表する委員(大学教授等の偉い人達)
支払側・・・保険者等を代表する委員(保険協会の偉い人達や市長)
ちなみに、昨日の様子はこんな感じでした。
YouTubeライブの中医協で感じたこと
結論から言ってしまうと、とても良い取り組みだと思いました。
開始が40分ほど遅れたり、最初の方は音声もブツブツいっていたりと、慣れていない感はあったのですが、途中からはスムーズに進んでいきました。
聞くところによると、これまでの中医協は、誰でも傍聴できるようになってはいたものの、朝早く会場前に並んで入場しなければならず、傍聴まではなかなか大変だったようです。
もちろん平日はそれぞれの仕事がありますので、気軽に傍聴に行くことはできません。
でも、YouTubeライブであれば、仕事と並行して気軽に見ることも可能です。実際、昨日は「ながら視聴」しました。
ニュース記事を通してでは分からない、各委員の熱量が伝わってきたことも良かったです。
後半では、健康保険組合連合会の幸野理事が、支払い側の視点から不安な気持ちを吐露していました。
今年はコロナウイルスの影響で保険料収入の減少が予想されている。そのため、医療費を賄うことができるかどうか非常に懸念している。医療費の見込を定期的に示していってほしい。
(※すみません。厳密な言葉は覚えていません・・・。こんなようなことを言っていたレベルで捉えてください。)
今まで、コロナウイルスの影響を”保険の支払い者側の視点”で考えたことがなかったので、新しい気づきでした。
確かに、医療費は増えるのに、収入は減る恐れがあるので、運営が成り立つのか懸念されますよね・・・。切実な訴えに感じました。
中医協のオンライン開催から感じた未来の姿
もう一つ、印象的だった瞬間があります。
全日本病院協会の猪口会長から、こんな質問がありました。
コロナウイルスの影響で、電話再診になっているケースがかなりあるが、その際に発行した処方箋は、具体的にどのようになっているのか。患者や家族がどのような動きをしているのか、具体的な例を知りたい。
(うろ覚えですので、こんな感じだった程度のニュアンスでとらえてください・・・。)
この質問対して、日本薬剤師会の有澤常務理事が答えたのですが、枕詞として、「私も現場に出ているわけではないので、正確なところはわからないが・・・」と回答していました。
この枕詞が印象に残りました。
医療側、公益側、支払側の偉い方たちが20人集まって議論してくれていますが、やはり現場の細かいことまではわからないというのが本音だと思います。
決して批判したいのではなく、現実的に難しいという話です。
そして、ここからが中医協のオンライン開催が続いた場合に期待できる未来の話なのですが、3つの事が起きると感じました。
1 毎週、中医協の外で、活発な議論が行われるようになる
診療報酬改定の時などは、多くの方が毎週の中医協を視聴するようになると思われます。そして、中医協の様子を見て、誰がどんな話をした、あの制度はこうだろう、という議論を、今よりも活発に中医協の外で行うようになると思います。
2 委員の皆さんがより現場の声を聴いてくれる
委員の皆さんは今でも現場の声を聴いてくれているとは思いますが、より視聴者の事を意識されるようになると思います。なにせ、自分たちの発言が生配信されてしまいますので・・・(委員の方たちは大変ですね)。委員の皆さんのもとには否が応でも様々な意見が届くことになると思いますので、自然と委員の皆さんがより現場の声を聴いてくれるようになると思われます。
3 医療介護関係者の制度への関心が高まる
自分達の声が委員に届いたり、周りの人が活発に議論することで、今以上に業界関係者の制度への関心が高まると思います。自然と、医療制度や、診療報酬に対するリテラシーが高まっていくと思います。
以上の3つの変化によって、中医協の議論も深まり、業界全体としてもポジティブな影響があるのではないかと思いました。
ぜひ、今回に限らず、中医協の生配信を続けて欲しいと思いました。
おわりに
今日は、「異例!中医協がYouTubeライブで生配信。そこから感じた未来の姿とは?」というテーマで書きました。
中医協のYouTubeライブの配信は4/23に発表され、翌日の4/24の10時に開催されました。
発表から開催までの期間が短く、見たかった―!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
医療介護データ研究所では、中医協のYouTubeライブの配信について4/23に告知しました。
医療介護業界の情報は日々チェックして、配信していますので、フォローいただけると、次回こそ見逃さずに視聴できるかもしれません。
ぜひ、フォローお願いします(笑)
では、今日も良い1日を。
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