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被災1年を振り返って見えたもの

令和2年7月豪雨で壊滅的な被害を受けてちょうど1年の節目である令和3年7月4日、球磨川くだり株式会社は観光複合施設”HASSENBA"を開業することが出来ました。この1年間支え続けてくれた再建チームメンバーと支援頂いた多くの皆様に心より感謝を申し上げます。

この1年間は余りにも激動すぎて、ガムシャラすぎて一瞬のように感じます。振り返るとまさに苦難の連続で心も身体もギリギリの状況でした。その厳しい条件を改めて整理すると下記が挙げられます。

・そもそも債務超過状態の第3セクター
・建物は大規模半壊、船、車両など全ての資産を失う
・コロナ禍で被災前の3月より半ば休業状態
・経営支援を行う本業のシークルーズもコロナ禍で大ダメージ
・取締役と社員の対立により昨年末にあわや社員ゼロの危機
・当初、なりわい再建補助金は三セクを理由に対象外と判定
・川下りの会社なのに川が使えない

まあ、普通に考えると無理であり、完全に詰んだ状態。借金以外なにも残っていない訳です。正直、被災直後の7月中旬は会社の清算を検討し始めました。しかし、その地獄の底と言っても過言でない状況から多くの仲間の支援のもとで這い上がり、わずか1年後に”復興のシンボル”と評価される観光複合施設”HASSENBA"の開業まで辿り着くことが出来ました。多くの方々から「一体どのようにしてこの危機を乗り越えることが出来たのか?」と尋ねられます。それは当然で先程挙げたとおり、被災事業者の中でも最も厳しい状況の球磨川くだりが最も早く、華々しく再生したのですから。しかし、これは偶然でもなく、奇跡でもありません。やるべきことを粛々と一つずつ壁を乗り越えていった積み重ね結果です。ではどうやって再生を進めたのでしょうか。

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