立川談春「赤めだか」を読み終えて
こんにちは、あんぼです。
みなさん、落語って聞かれますか?
私はこれまで劇場にも行ったことがなく疎遠だったのですが、この本で興味が湧き湧きです。
いやー落語家の生き方もハチャメチャですね(笑)
立川談春
競艇選手になりたかったが、身長でアウト。立川談志に弟子入りしたものの、生活の面倒を見てくれるわけでもなく新聞配達をしながら食い繋ぐ。何の指導なのか自転車で海老シューマイ1,200個を運ばされたり(案の定こけて怒られる😂)、談志からの可愛がられ方はやっぱり特異。
それでも高田文夫に認められたことで談志からも評価を得て(変な話だが)、今やドラマでも立川談春はよく出演されていますね。テレビでも活躍されている立川志の輔や志らくも登場します。
なんだかんだ言って、立川談志の芸事への打ち込みや研究は凄まじいもので、また教え方も一流で相手の進歩に合わせながら教えていたらしい。談春の談志への尊敬の念は最後まで持ち続けた。
立川談春の生きる修行物語。
私のように落語初心者でちょっと落語を舞台裏から覗いてみたいなという方におすすめ本です🔰
私の三大気づき
落語家の語り口調は文章にしても面白い
まさに目の前に本人がいるようなという表現が合う、リアルな言葉の掛け合い、やりとりとその描写が鮮明!Vivid!
読んでいて爽快だった。
人生において『あれはなんだったんだ?』の時期は大事かも
談春は突然一年間築地へ行かされ、修行させられる。
「お前ら、礼儀作法から気働きを含め、何から何までダメだ。とても俺は面倒みきれん。お前達の存在が俺にとってマイナスだ。文字助(もじすけ)が一から仕込むと云っているから魚河岸へ行け。みっちり働いて修行してこい。魚河岸はいいぞ。夜明けの風景なんぞ芝浜やる時にきっと役に立つ。まァ、そういうことだ」
ちなみに志らくはソレを断った。でも弟子になりたいと懇願して許可がおりた。談春がのちにあれはなんだったんだ?断れたのか!?と思ったのは当然至極😅
最後に私が感動したところ🌱
「落語は人間の業の肯定である」
以前、アナウンサーの古舘伊知郎さんが千原ジュニアさんとのYouTube対談で話していたが、当時は意味がわからなかった。が、今回得心した。
少し長いですが、立川談志の口調と共にお付き合いください。
「あのネ、君達にはわからんだろうが、落語っていうのは他の芸人とは全く異質のものなんだ。どんな芸能でも多くの場合は為せば成るというのがテーマなんだな。一所懸命努力しなさい、勉強しなさい、練習しなさい。そうすれば必ず最後はむくわれますよ。良い結果が出ますよとね。忠臣蔵は四十七士が敵討ちに行って、主君の無念を晴らす物語だよな。普通は四十七士がどんな苦労をしたか、それに耐え志を忘れずに努力した結果、仇を討ったという美談で当然四十七士が主人公だ。スポットライトを浴びるわけだ。でもね赤穂藩には家来が三百人近くいたんだ。総数の中から四十七人しか敵討ちに行かなかった。残りの二百五十三人は逃げちゃったんだ。まさかうまくいくわけがないと思っていた敵討ちが成功したんだから、江戸の町民は拍手喝采だよな。そのあとで皆切腹したが、その遺族は尊敬され親切にもされただろう。逃げちゃった奴等はどんなに悪く云われたか考えてごらん。理由の如何を問わずつらい思いをしたはずだ。落語はね、この逃げちゃった奴等が主人公なんだ。人間は寝ちゃいけない状況でも、眠きゃ寝る。酒を飲んじゃいけないと、わかっていてもつい飲んじゃう。夏休みの宿題は計画的にやった方があとで楽だとわかっていても、そうはいかない。八月末になって家族中が慌て出す。それを認めてやるのが落語だ。客席にいる周りの大人をよく見てみろ。昼間からこんなところで油を売ってるなんてロクなもんじゃねェョ。でもな努力して皆偉くなるんなら誰も苦労はしない。努力したけど偉くならないから寄席に来てるんだ。「落語とは人間の業の肯定である」よく覚えときな。教師なんてほとんど馬鹿なんだから、こんなことは教えねェだろう。嫌なことがあったら、たまには落語を聴きに来いや。あんまり聴きすぎると無気力な大人になっちまうからそれも気をつけな。(原文ママ)」
そういえば以前前職のトップ営業の方が「いいか、あんぼ、(営業の)移動中は落語を聞くんだよ。あの話し方、テンポ、間は絶対マネしたほうがいい」と言われたのを思い出した。
実はこの本を紹介いただいたのは、プライベートでも仲良くさせていただいているササピーさん😊(ありがとうございました!)
個人的にも立川志の輔さんとも交流されていたり、ササピーさんの話も面白いです😄
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