寄席についてのお勉強(その4)
手元資料を整理していたら、「文京ふるさと歴史館」の特別展「本郷座の時代―記憶の中の劇場・映画館―」という冊子のコピーが出て来た。記憶をたぐり寄せると十年程前「文京区真砂図書館」で見つけて複写したようだ。
コピーをそのまま掲載するのは宜しくないので、抜粋を
「寄席は江戸の終わり頃から娯楽施設として栄え、明治の新しい時代を迎えてもそれは変らなかった。明治12年(1879)刊の『講談浄瑠璃落語定席一覧表』によると、その当時東京において定期的に開いていた寄席の数は171軒であり、現在の文京区にあたる小石川・本郷地区の部には12軒の寄席の名がみられる。それらの中でも、山の手第一といわれた寄席に若竹亭がある。『文京区史』の記述によると若竹亭内部の構造は、高座の間口が3間で奥行きが9尺、客席は6間四方で1階席と2階席があったという。定員は800人で、当時の寄席としては規模の大きなものであったが、関東大震災で焼失した。この若竹亭をはじめとして、文京地区にはのべ40軒余りの寄席が存在し、人びとの娯楽として重要な位置を占めていたことがうかがえる。」
「文京の寄席・劇場一覧」
1 目白亭 明治10年代~明治末期
2 江戸川亭 大正初年頃~昭和初年頃
3 大信亭 明治10年代
4 鈴本亭(江戸川演芸館?) 大正年間
5 初取亭(服部坂) 明治10年代
6 扇亭 明治30年代~大正初年頃
7 瓦屋(小川亭) 明治10年代
8 千代よし 明治10年代
9 松よし(松柳亭) 明治10年代~明治20年代
10 礫川演芸館(小石川演芸館?)大正初年頃
11 寿々本亭 大正初年頃~昭和10年代
12 三百人劇場 昭和49年~現在
13 山谷亭 大正末頃
14 動坂亭 大正10年代~昭和初年頃
15 三晃演芸場(三晃演舞場) 大正末頃~昭和初年頃
16 松下会館演芸場(動坂演芸場)大正末頃~昭和初年頃
17 浅嘉亭 大正末頃~昭和初年頃
18 喜笑亭 明治初年頃~明治20年代
19 新松菊 大正初年頃
20 紅梅亭 大正10年代~昭和初年頃
21 長久亭 明治30年代~大正初年頃
22 岩玉亭 明治初年頃
23 中村座 昭和30年代
24 藍染座(栄座) 明治25年4月~39年5月
25 歌音本 大正末頃~昭和初年頃
26 松葉亭 明治10年代
27 駒込鈴本亭 大正初年頃~昭和初年頃
28 三小松亭 大正初年頃~昭和初年頃
29 初音亭 明治30年代~明治末頃
30 菊岡亭 明治10年代~大正初年頃
31 寿々木 明治10年代
32 森川亭 明治20年代
33 菊坂亭(新市場亭?) 明治30年代
34 大和座 大正初年頃~大正8年頃
35 岩本亭(梅本亭) 明治10年代~昭和初年頃
36 阿ら喜 明治初年頃~明治10年代
37 伊豆元(本)亭 明治10年代~明治20年代
38 松竹亭 明治10年代~明治20年代
39 川崎亭 明治10年代
40 新小松 明治40年代~昭和初年頃
41 千歳亭 明治30年代
42 若竹亭 明治元年~大正12年9月
43 遊楽亭 明治初年頃
44 新花演芸館(新花亭) 大正末頃~昭和初年頃
☆ 本郷座 明治6年~昭和5年
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