御代替わり

    平成の時代が終わって一年が過ぎた。今回はその終わりが「いつ」ということがはっきりしていた。天皇陛下の退位による終わりだからである。思えば昭和の終わりは何とも暗かった。天皇陛下のご容体が連日のように報じられ、いつその時が来るのか…と国中が心配した。
 そして、その時が来て国中が暗くなった。銀座のショーウィンドーに飾られているマネキンが皆、喪服を着ていた。歌舞音曲は中止になった。国中が喪中になったのである。それに比べると、今回はとても明るかった。陛下がお元気なうちの御代替わりなので、暗い要素が全くない。なので、あらゆる物事に「平成最後」という枕詞が付いた。一種のおまつりのようだった。
 新しい天皇陛下が誕生することは、おめでたいことでもあるので、こういう御代替わりがあっても良いのではないかと、しみじみ思った。