涙こそ正装

主人側の親戚のおばさまが亡くなった。

まだ60代後半だったが、膵臓癌のステージ4で、この夏の猛暑の日、高熱に倒れそのまま意識が戻らず…。先日ついに帰らぬ人となってしまわれた。

お通夜。
受付を任されたワタシは、1人の女性の服装に一瞬驚いてしまった。

故人と同世代と思しきその女性。
黒とはいえ、胸元がビーズで華やかに彩られた合皮と異素材コンビのワンピース。スカート丈は膝上。明るい茶色に染められた髪。

つい、どんな方なんだろう…と気になってしまった。

御記帳を終え、俯いたお顔が見えたその時。
そのお顔に注目してしまったのだが、

真っ赤になった目に涙が溜まっている…。

紅く染まった鼻頭が、
今この瞬間に涙が出たのではなく
この会場に来る前に故人を憶い、ひとしきり泣かれた後であろうことを物語っていた…。


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その瞬間。
正直、初見では不謹慎に思われたその女性の服装も、まったく気にならなくなった。

むしろ、友人の最期のときに、
その人らしい出で立ちで最高の華を添えているようにさえ思えた。

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実はその最期のお別れ直前、主人は喪服を新調した。若い頃の礼服がサイズアウトしていた為だ。

出番は少ないだろうけど、ないと困る礼服。そこそこの値段でそこそこの見た目を…と、青◯にいった。

その際、販売員の方からの『これからの年代、ずっと使えるからこそ恥ずかしくない黒の深いものをオススメします』『礼儀としてこれです』などのお話しと、時間のなさも相まって結局、予定してた予算を超える総額7万円超えの買い物となった。

実際、明らかな違いがあったし、今後ずっと使えそうなので、納得した上でのお買い物ではある。

しかしながら、
前述の女性を見たとき、果たして参列者の礼儀とはなんぞや…と考えてしまった。

故人を憶い、紅く染めたその涙こそ、何にも勝る正装ではないだろうか?


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noteをはじめて、『スキ』をもらえるのがとってもうれしい!って感じてます。

自分の感想を記録に残して、誰かがそれに共感してくれたことが目に見えることがうれしいです。

『スキ』してくれる方々へ。
ありがとうございます!

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#葬儀 #お通夜 #礼服 #涙 #感想 #エッセイ

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分析癖のあるワタシの日常。 職業:ジュエリーデザイナー。一児の母。 シロウトの考察備忘録。
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