見出し画像

【高校生向け】ダイガク教授! -「高校魅力化」 藤岡慎二先生ー

【Intro...】
大学に広がる深くて広い学問の世界。
一方、高校の受験勉強で触れる分野はほんのほんの一握り。
今、頭の中にある学部イメージで決めてしまうのはもしかしたら少しもったいないのかも…?探してみれば、案外「本当に自分が興味のある」ことに繋がる学部も掘り出せるかもしれません。

さて、今回はこんな学問が大学にあった!こんな先生が大学にいた!
大学教授インタビュー第2弾、高校魅力化をテーマに大学のフィールドを超えて活動する藤岡慎二先生にお話を伺いました!


iRODORu 藤岡先生 Zoom写真

👏インタビュイー 藤岡慎二先生 <プロフィール>
1975年生まれ、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
代表取締役を務める株式会社Prima Pinguinoで「高校魅力化プロジェクト」や新しい大学入試の教材制作を手がけ、島根県立隠岐島前高校や北海道羽幌町立天売高校など数々の高校を、廃校寸前からV字回復させてきた実績を持つ。
現在は、北陸大学経済経営学部客員教授、産業能率大学経営学部教授、総務省地域力創造アドバイザーとしても活躍している。
福岡で好きなお土産は「博多通りもん」。

【本文】
✔ 教授として大学改革
経営学で学者になるか迷っていたのですが、じぶんの経営理論を試そうと思って起業したんです。そして事業の方がある程度大きくなったタイミングで、夢だった大学教員をやろうということで、2017年に北陸大学に着任しました。地域活性化やキャリア教育を教えつつ、大学の魅力化ということで授業改善や地域連携活動に力を入れました。学部長の山本圭一先生(前任は福岡の大学!)の改革のもと、僕も学びながら実践し、チームのおかげで志願者数4倍、学生数2.5倍につなげることができました。

日本って高校までの学力は世界トップレベルなのに、大学ランキングだとすごく落ちるじゃないですか。それが悔しいなと思っていて。これからは大学内の魅力化をやったり人口が少ない地域に地方キャンパスをつくったりして、日本全体を盛り上げていきたいですね。


✔ 高校魅力化の仕事
日本では10年間で1/6の高校がなくなっています。
高校がなくなると子育て世代はその地域を離れていって、結果的に過疎化が進んでしまうんですね。地域にとって大切な高校を廃校から守る、むしろ魅力化しちゃうことで、生徒数を増やそうとしています。

3本の柱があるのですが、まずは授業。その地域や高校でしか学べない科目をつくります。たとえば広島県の大崎海星高校はもともと海賊の街で、海の潮目を読む力があった。のちの時代でも、時代の潮目を読んで政治家や起業家を多く輩出してきた地域なんですね。そんな地域に伝わるDNAを、「潮目学」「航界学」などの授業に組み込んでいます。
あとの2つは公営塾と教育寮。これら3つが機能することで、高校の魅力になるだけじゃなくて、大学受験にもつながる学びが身につくんです。


✔ きっかけ
学生の頃は世界だ、グローバルだ、と言っていたんですけど、大学院生のときにお付き合いしていた方が地方創生をやっていて。でも当時は全然良さが分かりませんでした。ただ、起業したあと呼ばれた講演で秋田県の東能代に行く機会があったんですけど、街の中心地がすごいシャッター街で。このまま地方が衰退したら日本は崩れる、そう思うと、課題先進国日本のなかの最先端はむしろ地方だって気づいて。

あまりの衝撃に昔の彼女に電話しちゃいましたね、「言ってることがやっとわかったよ」って(笑)


✔ 醍醐味
一番好きなのは、一緒に仕事をしている人や高校生が突き抜けた瞬間を見ることですね。
地方だからと勝手に諦めていた人たちがだんだん自主的に動き始めたりして、目つきが変わってくる。年齢とか立場とか関係なく想いの部分でつながれて、そういう人たちが変わっていくのはやりがいがありますね。
まあそれも社会貢献としてやろうと思っているわけじゃなくて、エゴなんですけどね。好きでやっているんです。それが結果的に社会貢献になったという感じですね。
「好きは仕事になる、怒りは志になる」です。


✔ 高校生へのメッセージ
進路でもなんでもそうですけど、選択というのは選択肢と選択軸から決まります。選択肢は多い方がいいと思いますが、それだけでは迷ってしまうので、選択軸として、じぶんの価値観を言語化して持っておくことが大切です。それは信念とか座右の銘とか、じぶんの考えの裏にあるものですね。

それから、人が成長する条件は3つあって、それが時間・場所・会う人なんです。地元のような自分の居心地の良い場所(コンフォートゾーン)を超えることで、これらの3つが一気に変わる。つまり越境して学ぶということですけど、人がそこで得た経験はきっと人生の財産になると思います。

高校2年生の1年間、地方の高校に留学する「地域みらい留学365」というものもあります。ぜひチェックしてみてください。