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矢祭町地域おこし協力隊の活動計画・報告発表会を行いました!

2019年から福島県矢祭町で地域おこし協力隊の採用支援と、着任後の研修や伴走支援に関わらせていただいています。8月30日に職員や町民の皆さまをお招きして、協力隊の活動計画の発表を行いました。

地域おこし協力隊の活動は、まちの皆さんに協力していただいて初めて成り立ちます。協力隊のみなさん自身の経験を活かしながら、矢祭町に貢献できることを考えてつくった計画の共有や、活動報告をこうして定期的に行っています。

こんなにも多くの皆様にご参加いただきました!ありがとうございました!

最初に佐川町長にご挨拶をいただき、地域おこし協力隊の概要などをIRODORIの谷津がご紹介しました。

トップバッターは矢祭もったいない図書館で、読書の町づくりコーディネーターとして活動をしている平本さんと大羽さんの発表です。

もったいない図書館は、全国からの寄贈図書により平成19年に開館したユニークな図書館です。現在の蔵書数は47万冊にも及び、県内でもトップクラスに本が充実している図書館となっています。

矢祭町のみんなが主役になれる図書館づくり

平本さんは美大を卒業しグラフィックデザイナーとして働いた経験を。そして大羽さんは教育大学で教育について学んできた経験を活かしながら、「読書の町づくり」をミッションに活動しています。

人口減少や生活様式の変化なども背景にあり、もったいない図書館は利用者が減少傾向にあります。しかし足を運んだ町民からの満足度は高く、魅力を活かしきれていないと言います。

ふたりは読書の価値を改めて考え、活動ビジョンに「子どもたちが、自分の可能性を探求し積極的に行動できる矢祭町へ」を掲げました。

平本さんは、図書館が町内外の人たちとの新しい出会いを生み、魅力向上に向けて参加ができるきっかけをつくる活動を計画しています。そして大羽さんは主に子どもたち向けに、小中学校の図書室と連携した活動計画を共有しました。

ふたりでそれぞれの個別ミッションで動きながら、共同ではテラススペースを活用して様々な企画を計画中とのことです。

次は、ラズベリー振興に関わる3人の協力隊からの発表です。

国産ラズベリー振興に関わるチャレンジ

矢祭町では15年ほど前から国産ラズベリーの生産への挑戦がはじまっています。日本ではラズベリーを年間約1,000トンを輸入しているのに対し、国産は10トンほど。

傷みやすいので冷凍して輸入されますが、それだと酸味が強くなるという特徴があります。日本の気候に合うラズベリーをつくることで生食での流通が可能になり、甘いラズベリーを届けることができるのです。

そんな国産ラズベリーへの取り組みに可能性を感じた3人の協力隊が活動中です。

任期終了を目前に控えた大和田さん。3年間の活動の総括を発表されました。

ラズベリー振興に関わる協力隊として、初めての着任。まだまだ栽培方法は確立されていない中で、試行錯誤してきたことや挑戦してきたことを振り返りました。

卒業後は町内で就農予定です。地域の皆さんから応援されながら活動をされていた大和田さん。発表後には町民の皆さんからあたたかいコメントが寄せられました。

次は、ラズベリーの商品化に挑戦をしている長友さんです。

長友さんは生産活動のほかに、これまで生産過程で捨てられてきたものに着目してきました。葉を活用してラズベリーリーフティを開発したり、廃棄される果実で染物をしたり。

また、祭事やイベント、オンラインでの販売についても新たな挑戦を行い、ラズベリーの流通や新たな価値づくりに取り組んでいます。

次は、今年の4月から着任した酒井さんの発表です。

都内の一流ホテルでパティシエをされてた酒井さん。生産の現場を知りながら、パティシエの経験を活かしてラズベリーをブランド化し、町の特産品をつくりたいという想いで着任されました。

これまでラズベリーを使った数々のお菓子をつくっていた酒井さんの目には、矢祭町のラズベリーは特別で、まるで宝石のように見えるそうです。その価値を理解し、相応の対価を払う人たちが必ずいると力強く言います。

生産に関わった数か月でも発見がありました。選定作業の効率化が目的で養蜂を取り入れたところ、それで得られるはちみつは高価で希少なものだということ。そして、破棄するしかなかった部分の実は、唯一無二の国産ラズベリーのピューレになると感じられたそうです。

多様な視点が入ることの価値を会場にいる皆さんで感じる時間となり、まちの方から「来てくれてありがとう」というコメントもいただいていました。

まちの文化財振興への挑戦

そして次の発表は、まちの文化財振興に取り組む川瀬さん。川瀬さんは以前より文化財の研究をされてきていて、町にゆかりのある豊田六之助の手元焼きに関わる調査を行われています。

文化財をまちの人たちが日常の中で触れる機会をつくりたいという想いで、手元焼きの調査を行って自身での理解を深めながら、町民に向けた発信の機会づくりを行っています。

まちで手元焼きを見れる場所を増やしたい、というアイディアを発表されたところ、場所を提供したいと声をかけてくださる方が。新たな協力者とつながられていました。

誰もが訪れて居ることができる場、ヒガシダテ待合室

最後は近藤さんの発表です。矢祭町には町民たちが気軽にお茶をしたり、集える場があまりありませんでした。それを課題とし、近藤さんは「IDOBATAスタンド(仮)」という名前で、広場や学校の校庭などでコーヒーを配る活動を通じて町民たちが自然に集い、話をする場づくりを行ってきました。

町民たちとつながり、活動を積み上げていくことで信頼関係を築き、結果的にJR東舘駅舎を活用したコミュニティスペース「ヒガシダテ待合室」を2022年3月にオープンすることにつながりました。

「誰もが気軽に訪れ、滞在し、矢祭の人や情報とつながることができる場所をつくりたい」と、ヒガシダテ待合室を活用して、近藤さんが矢祭町で実現したいことについて共有されました。

近藤さんの発表のあと、町民の方からこんなコメントをいただいていました。

「若者たちが集える場所をつくりたい、というのは以前から町の人たちの想いとしてあったけれど、実現してきませんでした。ヒガシダテ待合室はまだクーラーが動かない状態であっても、暑い暑いと言いながらも人が集まってきています。

立派な設備をつくることが必ずしも誰かのためになるわけではなくて。誰でも参加できる場をつくりたいという、近藤さんのように想いを持っている人が場をつくり、迎えてくれることが何より素晴らしい空間をつくるのだと学ばせていただきました。

今後、まちで場づくりを行うときには近藤さんの経験を参考にさせていただきたいです」

発表会の時間は終始、とてもあたたかい雰囲気で進んでいきました。協力隊たちにとっては、自分たちの想いや活動を住民の皆さんたちに知ってもらい、新たなつながりをつくる時間となりました。

地域の皆さんにご協力いただきながら、矢祭町の地域おこし協力隊の皆さんは誠実に、地域のために活動を積み重ねられているのだなと改めて感じました。

IRODORIとしても引き続き、協力隊たちのサポートを行っていきます。

矢祭町地域おこし協力隊のfacebookページと、報告会当日の様子の録画は下記よりご覧ください。