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鉾田市出身の学生募集!地元で暮らす人たちの”ワガママを叶える挑戦”をしませんか?<ほこたワガママLab説明会レポート>

茨城県鉾田市で、新たな取り組みがはじまりました。地元で新しい挑戦をすることに興味がある高校生や大学生のみなさん向けのプログラム「ほこたワガママLab」です。

ほこたワガママLabでは、鉾田市にゆかりのある若者の皆さんと一緒に”地域で暮らす人たちのワガママを叶えるアプリをつくる挑戦”を通じて、地域に変化を起こすきっかけをつくりたいと考えています。

本記事は、2023年1月17日に実施したオンライン説明会で発信した内容についてレポートしていきます。

なぜ鉾田市はほこたワガママLabを立ち上げたのか。そして、プログラムの背景や具体的な内容についてご紹介しますので、ぜひご覧ください。

▼説明会の動画はこちら

主催:鉾田市まちづくり推進課
運営:ほこたワガママLab事務局(Modis株式会社 株式会社IRODORI)

鉾田市に若者たちが関わり続け、帰ってこれる仕組みをつくりたい

まずは鉾田市の概要とほこたワガママLabを立ち上げた背景のご紹介です。

茨城県鉾田市は人口45,973人(R2国勢調査より)のまちで、代表する産業は農業。野菜の産出額が日本一のまちです。

一方で課題となっているのは、農業以外で若者たちの就業先が限られているということです。特に20代から30代の若者たちの流出が止まりません。進学を機に地域を離れていく若者たちが多く、地元に暮らし続けたい、帰ってきたいと思っても難しいのが現状です。

若者たちが鉾田市に帰ってきたいと思えるように。また、鉾田市が若者たちにとって帰ることができるまちになるように。「ほこたワガママLab」のコンセプトを2つ据えました。

1つ目が「鉾田市にゆかりのある若者たちが”関わり続けられる”プログラムをつくる」です。

地域以外の場所に住んでいても、鉾田市の課題解決ができる仕組みを構築してみなさんと一緒に取り組んでいきたいと思っています。また、暮らしていても地域を知ったり、関わる機会は多くありません。そんな若者たちが関わり続けられる仕組みをつくっていきます。

2つ目は「若者のデジタル人財育成の基盤づくり」です。

鉾田市では生まれ育った子たちが高校・大学は市外に出ていってしまうことが多いです。若者たちへ鉾田市をフィールドにした学びの支援を継続的に行っていきたいと考えています。

その一歩目として、鉾田市にゆかりのある若者の皆さんの視点で鉾田市の課題を発見し、課題を解決するためのスマートフォンアプリを専門家と一緒につくっていきます。

「アプリをつくる」というと、とても難しく感じてしまうかもしれません。

後からも紹介しますが、ほこたワガママLabはその点はあまり心配せずに参加していただきたいと思います。

ほこたワガママLabでスマートフォンアプリをつくる理由

突然ですが、世界の人口は何人かご存知でしょうか。正解は78億人。日本では人口減少といわれていますが世界全体では人口は増えていて、今後もさらに増え続けていく見込みです。

では、世界で流通しているスマートフォンの数はどれくらいでしょう。

世界で流通しているスマートフォンは「40億台」と言われています。2021年のデータなのでもっと増えているかもしれません。

これは子どもたちを除くと、ほとんどの大人が持っている計算になります。誰もがスマートフォンを持っているということは、スマートフォンを使っていろいろな人の困りごとを解決できる可能性があると思いませんか?

このように、コンピュータを活用して課題をどのように解決するか、誰かの役に立てるようにするのかを考える「コンピュータ活用思考」を専門としているのが、ほこたワガママLabサポーターの石原先生です。

スマートフォンを活用すれば、身近な人たちの小さな課題から地域の課題まで解決できる可能性があります。

実際に、スマートフォンを活用して地域課題を解決する若者たちの事例が世界で出てきています。

例えば、アメリカのミシガン州・フリントで起こった「水道危機」をご存知でしょうか。財政破綻したフリントは、より安価に水を供給できるようにするために真水の湖から、近くのフリント川に水源を切り替えました。すると水道管と水質の相性が悪く、鉛が含まれた水が供給されて住民たちに甚大な健康被害が出たという事件です。

それに対して解決に取り組んだのが、当時11歳のギタンジャリ・ラオさんでした。

彼女は両親がいつも水に鉛が含まれていないかをチェックしているのを見ていて、もっと簡単にチェックする方法があればいいのにと考えました。

そして彼女は大学のウェブサイトの情報や、誰でもアプリを作れるツール「MIT APP Inventor」などを活用して、水に鉛が含まれているのかを誰でも簡単に検知する装置をつくりました。

11歳の女性が何かできないかと思って行動した結果、多くの人たちを助けるツールをつくりだしたギタンジャリ・ラオさんは世界で注目される存在となりました。

現代では誰でも使える技術が増えており、年齢も特別なスキルセットも、持っている資金も関係なく、人の役に立つものをつくりだせるのです。

まさに、ほこたワガママLabでは鉾田市に住んでいる人、自分の家族、高齢の方など「誰かの役に立つ」ためにテクノロジーを使って課題を解決する経験をみなさんと一緒にしていきたいと思っています。

ここでプロジェクトの名前にも入っている「ワガママ」について、少し深掘りをしてから具体的な内容のご紹介をしていきます。

”ワガママ”は地域を変える

みなさん、こちらの写真を見てください。女性が洗濯をしている様子なのですが、どれくらい前の日本の写真だと思いますか?

正解は1930年代の洗濯の様子です。当時はお母さんたちが集まって、手洗いで洗濯をしていました。写真の皆さんは笑顔ですが、きっと、こう思っている人もいたのではないでしょうか。

手が冷たい。時間がかかる。大変だ。腰が痛い。辛い。

当時そんなことを言うと「ワガママ」と言われて非難されたかもしれません。「みんなやっているのだから我慢してやりなさい」なんて、みなさんも言われたことがある言葉なのではないでしょうか。

でも、誰もその現状をなんとかしようと思わず、現場でワガママをいう人が現れない限り、そこに「課題がある」ということにさえ気がつかなかったかもしれません。

私たちは、ワガママの定義を「日々の生活の中で、本当はこうなったらいいのになと思っているけれど、あきらめてしまっていることや我慢していること」としています。

ほこたワガママLabでは、そんな鉾田市で暮らす人たちの”ワガママ”を可視化し紐解いていくことで、まちの課題を見つけ、地域で暮らす人たちや企業の皆さんと一緒にデジタルで解決する挑戦をしていきます。

実際にやることは、まずは世の中で実際に起きていることについて座学で学んでいきます。そして、鉾田市で暮らす人たちの取材などを通じて地域の人たちと繋がって、ワガママを叶えるアプリを仲間と一緒に作っていきます。

そして開発したストーリーをもとに、どんなワガママを叶えるアプリを作ったのかを市民の皆さんをはじめ、連携している企業、海外の専門家の皆さんに発表していただきます。

アプリをつくるのが、「MIT APP Inventor(MITアップインベンター)」というソフトウェアです。

マサチューセッツ工科大学が開発している、誰でもパズル感覚でスマートフォンアプリを作ることができるツールです。

スクラッチをやったことがある人は、少しイメージがつくかもしれません。それに近い感覚でつくることができます。現役エンジニアたちもサポートに入りますし、デジタルに苦手意識がある人も、全く経験のない方も安心して参加していただけたらと思います。

こちらのスライドは、栃木県小山市で暮らす小学2年生の女の子が一人暮らしのおばあちゃんのためにつくったアプリです。

おばあちゃんの日々の暮らしを想像しながら、きっと一人だと寂しいだろうから、と朝昼晩に聞くと元気が出る言葉を言ってくれるアプリをつくりました。

地域の人たちに話を聞き、誰かのワガママを叶えるために何が必要かを考え尽くすことが、ほこたワガママLabで最も大切にしているところです。

ほこたワガママLabでできる経験は、スマートフォンアプリを開発できること。社会課題の解決に挑戦する経験ができること。地元で新たな仲間たちとつながって成長できること、などなど。

2ヶ月のプログラムで、新しくできるようになることや仲間たちが増えて特別な経験ができると思います。

ほこたワガママLabサポートメンバー

サポートメンバーには鉾田市まちづくり推進課をはじめ、地域の課題解決に関わる専門家や、現役のエンジニアやエンジニアを育成する専門家たちがいます。

また、MIT認定教育モバイルコンピューティングマスタートレーナーの石原先生が講師をつとめていただきますので、アプリの発表の際はMIT関係者やアジア各国の社会的事業をされている方々もオンラインで繋ぐ予定です。

プログラムのスケジュールはこちらです。全ての日程の参加が難しくてもフォローアップを行いますのでご興味があれば、ぜひあきらめずにお申し込みいただけたら嬉しいです。

ほこたワガママLabでは、いろいろなことに興味がある方にご参加いただきたいと思っています。鉾田市のことを知りたい、取材をしてみたい、地元の人とつながりたい、アプリをつくってみたい、何か新しいことに挑戦してみたい、などなど。

一緒に、地元のことを知り、地元で暮らす人たちの”ワガママを叶える挑戦”を通じ、市の未来をつくる挑戦をしてみませんか?

鉾田市にゆかりのある高校生、大学生、その世代の皆さんのご参加お待ちしています!

募集概要:
●場所
オンライン、もしくは東京と鉾田市会場にて開催
※いづれもオンライン参加が可能となります

●対象者
・市内在住の大学生や高校生(在学を含む)など。
・進学を機に鉾田市を離れた大学生、大学院生、専門学生、および高等専門学生など

お申し込みフォームはこちら

ほこたワガママLabのwebページ

説明会の動画はこちら