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「北風と太陽」

昔読んだ童話の中で「北風と太陽」が特に好きだった。
北風は道行く人のコートを風を使って力ずくで剥ぎ取ろうとして失敗し、
太陽は気温を上げて道行く人が自分からコートを脱いでもらった。
この太陽のやり方が好き。


「幼稚園の時、いたずらに掛けられた一言」

幼稚園の時、僕は園内の離れにある図書室の本を友達とふたりで全部積み上げてしまったことがあった。
それを見た先生は、怒ることをせず、
「そんなに上手に積み上げられたんだから、元に戻すのも上手に出来るよね」って言った。
僕らは気分良く自発的に片づけてしまった。
もし怒鳴りつけられていたら、泣きながら嫌々何倍もの時間がかかって片付けさせられていたと思う。
この一歩引いたところからの物言いが相手を動かす原動力になるんじゃないかなと思っている。

「北風と太陽的写真撮影」


常々、写真を撮るときに思っているのは、被写体の気持ちを変えてまで良い写真を撮りたくない。
各々が普通にしているときにだってすごく素敵な表情やかたちをしているのにそれを撮らない手はない。
表情を言葉で誘導しないで、その人が良い表情やかたちをするまで待って撮る。
もちろん、その作業は大変で、撮られる側も戸惑う事もあると思うけど、特に親御さんは、子供が勝手に動き回って走り回ってしまう事を、撮影の妨げになると気にされていることが多いと思う。でも、普段の動き、勝手に動き回ることの中にこそ価値があると思う。家族写真を撮っているときもそうだが、街の中で僕が勝手に素敵な瞬間を見つけて撮る人(被写体)にも当てはまると思う。
街では被写体(知らない人)が嫌な気持ちになったりしないような空気みたいな存在で、撮ろうと思っている。
今までもこれからも「太陽」のやり方で撮影していくつもり。

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