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移ろい

私は変わりゆくものにいつまでも弱いままだ。
変化には必ず別れがつきものだから。
花が枯れていく姿にも切なさを感じてしまう。

永遠などない。もうよく知ってるのに求める心を静めることはできそうにない。

失うことを恐れるあまり向き合うことから逃げてきた。
その人を見つめてるようで目を逸らしていたんだ。

別れはあらゆる形で抗う隙も与えずにやってくる。
絶対に来るいつかの別れに身を備えておくこと、少しでも遠ざけられるように相手が求める自分で居ること、以前の私にとって言うならばそれが精一杯の向き合い方だった。

大きな別れの先で見つけた出会い、悲しみに暮れていた心にも私の人生にも光そのものだった。
でももっとずっと残酷な別れが待っていた。
数年心を閉ざした。今までより強く。絶対に誰も私の中にいれない。
酷く冷たい場所だった。

新しい出会いと成長によって、恐れずに真っ直ぐ向き合いたいと思うようになった。
大事な人をとことん大事にしたい。
別れが絶対にいつか来ようと抗うだけ抗いたい。

私の変化で訪れた別れがある。
皮肉だとも、そういうものだったよなとも、思った。
だからと言って心を閉ざしたりはしない。

出会いと別れに揉まれ自分の変化が確かなものだと実感できた。
この変化がまた新しい自分に繋がっていくことを願う。




text:白栲 霞 / shirotae kasumi
photo:仲秋 揺蕩 / nakaaki tayuta

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