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読書ログ:LISTEN まずは聞くことの誤解を解く

最近になるまで、コミュニケーションと言えば、どれだけ上手く話すかという話者視点ばかりフォーカスされ、蔑ろにされてきた聞くこと。

しかし傾聴をはじめ、聞くことの大切さが段々と認識されはじめています。
『LISTENー知性豊かで創造力がある人になれる』は、そんな聞くことの大切さを説いた本。

聞く能力を発達させるには、やはり練習を重ねるしかありませんが、聞くことに対する認知を変えることが最初のステップとして必要になります。

今回は『LISTEN』から、聞くことに関する3つの新しい学び。

①反対意見を恐れない

人は自分とは反対の意見を聞くと、まるで自分の存在意義が脅かされるかのような恐怖を感じるようにできているようです。
それは原始時代、人間が協力して狩や農業によって暮らしていたことに起因します。人と反対意見による確執があると、群れを追い出される危険があり、それは実際に死に直結したからです。

でも現代では、そんなことはありません。反対意見が生存にかかわることはないでしょう。しかし今でも反対意見を恐れるあまり、同じような思想や信念を持つ人ばかりが集まって、エコーチェンバー現象が起きることもあるのです。

確かに自分に似た人たちに囲まれていると楽だし、自己肯定感も高まるでしょう。自分の意見をいつも肯定してくれるのですから。

しかし著者は、その傾向に警鐘を鳴らしています。
自分の信念や確信というものは、反対意見とぶつかることで形成されていくものだから、と。

②完璧な会話という幻想を捨てる

聞くことを妨げる1番のネックは「次、何を言おうかな」と考えること。聞くこと以外をすることで脳の容量が圧迫され、きちんと聞くことができなくなってしまう。

気の利いたことを言いたい、面白いことを返したい、そういう望みを捨て、ただ聞くこと。余った脳の要領で自分をよく見せることを考えるのでなく、感情的に論理的に、相手の主張を誤解がないよう理解すること。その方がむしろ、良いコミュニケーションにつながるらしい。

③好奇心を持って聞くとは、思い込みを捨てること

聞くことに一番重要なのは、好奇心。あなたの周囲にも、こちらがどんどん答えたくなるような質問上手な人がいるはず。彼らの共通点は、純粋なる好奇心から質問をしていることです。

そしてその好奇心を阻害するのが、思い込み。この人はこういう人、この職業・学歴・バックグラウンドならこういうタイプのはず…など、わかった気になると聞けなくなります。
脳が省力モードになって、答えや結果を決めつけてしまいます。好奇心を失い、情熱をもって聞くことができなくなると。相手の意図をくみ取ることができなくなります。
よく知った人こそ、この人のことは知っていると決めつけないで、言葉を素直に聞いてみる。その結果、好奇心を刺激する新たな発見があるはずです。

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