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 近代五種は、フェンシング、射撃、水泳、馬術、ランニングの5つの異なる競技を1日で行うオリンピック競技です。

 ナポレオン時代の騎兵将校が、馬で敵陣に乗り込み(馬術)、途中の敵を銃と剣で討ち倒し(射撃・フェンシング)、川を泳いで渡り(水泳)、丘を越えて走りぬけた(ランニング / クロスカントリー)、という故事と、古代ギリシアで行われていた古代五種(レスリング・円盤投・やり投・走幅跳・スタディオン走)を近代オリンピックの創立者であるクーベルタン男爵が組み合わせ、「古代五種」→「近代五種」として競技化したことが始まりだとされています。

 1912年のストックホルム大会で採用され、当初は1種目で1日という優雅なスケジュールから「王族・貴族のスポーツ」とも呼ばれていましたが、1996年アトランタオリンピック以降は5種全てを一日で行う過酷な競技に変貌しました。その競技特性から、「キング・オブ・スポーツ」とも称されています。

 パリ五輪男子近代五種競技において、日本代表の佐藤大宗選手が、銀メダルを獲得しました。日本が1960年ローマ五輪から競技に参加して以来、初のメダル獲得という快挙だそうです。

 オリンピックは、普段は話題に上がることが少ない競技を知るきっかけとなる。様々な種目を行い、様々なメディアで見ることができることは非常に良い機会であるとされています。

 一方、現代のオリンピックは商業化し、視聴率やスポンサーが多くつく競技や、競技特性がメディア媒体と相性の良いものが好まれがち。

 近代五種も、様々な種目を場所を変えて行うことから、なかなかテレビなどでの生中継が行われず、結局ダイジェスト版になるという問題があるらしい。

 一方、資本主義の商品と化したオリンピックでは、徐々にその本質が失われてしまい、結果、消滅する可能性も十分に出てくる。

 今一番大切なのは、様々な学びのきっかけを与えるオリンピックなのではないでしょうか。

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