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 批判って難しいのです。

 批判は否定ではありません。その人の存在を肯定しつつも、自分の中でそれは間違っているな、やめた方がいいな、と思うことはそれを適切な表現で伝えることが大切です。

 学校教員のスキルとして求められることの1つに、「否定せず批判する能力」というものがあげられます。

 ある生徒が別の生徒を傷つけてしまったならば、その行為を批判しなければなりません。しかしその生徒自身の尊厳や人格を否定してはいけないのです。

 さらに言えば、批判には、それをする側の様々な想定が必要となります。一見、その行為は自分にとっては批判の対象となるものでも、実はそれがこっちの勘違いであったり、知識不足であったりすると、それは非常にまずいことになりかねない。

 『アナウンサーが「市町」を「しまち」と読んで“苦情”→読み方には理由があった 現役アナの投稿が話題「勉強になる」』


上記の記事では、読み方が間違っていると指摘されたアナウンサーが、その理由を説明。指摘した方の知識不足が逆に露呈した形になってしまいました。

 個人的に問題なのは、指摘した人の

 「市町をしまちと読んでるようでは困りますな…」

 という表現方法。少なくとも、文面からは、アナウンサーの方を揶揄するような形に取られてもおかしくない。

 批判とは、相手にマウントをとることではなく、その人にその行為がなぜ悪いのかを理解してもらうことを主眼におくべき。

 そのためには、まずは「なぜそのような行為をしたのか?」ということに自分なりに仮説を立てなければならないし、その意図や目的を、相手へのリスペクトを持って聞く必要があります。

 生徒の行動を批判する場合にも、まず状況を整理し、関係者の話を、できる限りバイアスをかけず、しっかりと聞くことが、生徒指導の始まりだと言われるのは、そういう理由と同じでしょう。

 相手にマウントをとることは批判ではない。ということを痛感します。


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