#691 「学歴資格」のための塾の限界
東京・新宿区にある大学受験予備校「ニチガク」が大学入学共通テストを目前に控えた時期に突然破産し、教室を閉鎖したことがニュースになっています。
ニチガクは40年以上の指導実績のある、老舗の予備校でしたが、近年は大規模な設備投資などで経営が圧迫されていたようです。
上記の記事では、昨今の学習塾経営の難しさについて言及しています。生徒の学び方や学習や入試の多様化が今までの塾運営方法に影響与えていると指摘。大学受験予備校などを含む「学習塾」の倒産は、2024年は53件(前年比17.7%増)に達し、2000年以降では2023年の45件を超えて、過去最多を更新したそうです。
予備校や塾とは基本的に「高校・大学の受験の合格」を目的としています。そうであるならば、彼らの存在意義とは「学歴という資格を得る支援」ということになります。
今でも学歴という資格を求める人たちは数多くいるけれども、その方法は前述したように多様化しています。AO・推薦入試、高校からの内部進学や指定校推薦など。そんなルートを通る人たちには、大学入試の勉強は必要ありません。
また塾には様々な形態のものがあるわけですが、はっきり言って終えば、そこにそんなに大差はない。同じ理念であるならば、多少の違いはあっても、結局どこも似たような形になってくる。差がつくのはネームバリューくらいなものです。
今後求められる塾とは何か。それは「資格のために存在する」ものではなく、誰かの「学びを支える」ものであると個人的には感じている。
自分が学ぶことで、自分の可能性を広げる。自分の学びが、自分の人生の多様性を生み出す。
そんな塾がこれからは必要になってくるでしょう。