雨と悪魔の囁き

雨になる。
雷っぽい音が頭の上でする。

悪魔は、今日は部屋にいよう。と囁く。

私は悪魔と手を繋いで、背中を丸くしたら、
布団にくるまる。

しあわせでいっぱいな気分になる。

合法引きこもり日。

ほら、
あまりにも天気が良い日だと家にいるのが少し、
辛くなるだろう？

少なくとも私は、そういう人だ。

できるなら、毎日、ずっと雨がいいと思う。
私の心の雨は止まないんだから、
実際の天気とのギャップが少ない方が、心が楽。

でも、私という人間は非常に面倒くさい。
二日と家に出なければ、
自律神経が崩壊したようで、
鬱っぽくなってしまう。

だから、ずっと雨なのはだめだけど、
虹が少しくらいかかった夕方の
曇り時々晴れ、みたいな空も好き。

それを見れば私はあの日を思い出すことが出来る

中学生、部活終わりに
「虹だよー！」と私たちを呼ぶ声が聞こえる。

くたくたなのに私達は
裸足のまま靴を履いて外に駆け出す。

水彩画みたいに綺麗な世界のあの日が羨ましい。


雨になると自分の怠惰が許された気がするから好きだ。
いつまでも私は怠惰なままだ。

でもね、私は、こういう薄暗いけど、
少し綺麗な色も好きなのよ。